![]() 痛風の治療のための方法
专利摘要:
痛風の治療および/または予防のための方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の有効量を対象に投与する段階を含む方法を開示する。 公开号:JP2011507891A 申请号:JP2010539825 申请日:2008-12-18 公开日:2011-03-10 发明作者:アラン;エム. ソリンジャー 申请人:ゾーマ テクノロジー リミテッド; IPC主号:A61K39-395
专利说明:
[0001] 本出願は、米国特許法施行規則第119条の下で、2007年12月20日に提出された米国仮出願第61/015,633号、2008年6月6日に提出された米国仮出願第61,059,378号、および2008年9月8日に提出された米国仮出願第61/095,191号の恩典を主張し、それらの開示内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。] [0002] 発明の分野 本発明は、痛風の治療および/または予防のための方法および材料に関する。そのような方法および材料は、痛風に罹患した対象を治療するため、またはリスクのある対象におけるその発生を予防するために用いることができる。] 背景技術 [0003] 発明の背景 本開示は、対象における痛風の治療および/または予防のための方法および材料を対象とする。そのような方法および材料は、痛風に罹患した哺乳動物(例えば、ヒト)対象を治療するため、またはリスクのある対象におけるその発生を予防するために用いることができる。] [0004] 痛風は、関節における高度の疼痛および腫脹を引き起こす急性関節炎の一形態である。痛風性関節炎による2002年の米国での外来受診は推定390万件に上る。他のリウマチ性疾患とは異なり、痛風の病因は十分に特徴づけられており、その病態生理は十分に解明されていて、本疾患は容易に診断される。多くの患者に対しては、急性発作に対する非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)または副腎皮質ステロイドによる治療法、および血清尿酸レベルを低下させる薬剤による再発の予防が非常に有効である。しかし、これらの治療法は、急性、慢性または難治性の痛風の患者の多くに対しては、十分な臨床的有効性の欠如、随伴毒性、または合併疾患という理由から十分でない。] [0005] 痛風は、非常に多くの場合に再発性の急性または慢性関節炎を引き起こす、組織中、通常は関節内および関節周囲での結晶の沈着である。] [0006] 本疾患は、組織中、通常は関節内および関節周囲ならびに滑液および滑膜表層での尿酸一ナトリウム(MSU)結晶の沈着物、ならびに通常は血液中の過剰な量の尿酸によって特徴づけられる。白血球が尿酸結晶を貪食すると激しい関節炎症が起こり、関節組織の疼痛、発熱および発赤を引き起こす。痛風性関節炎は、尿酸一ナトリウム結晶によって誘導される、白血球からの炎症誘発性サイトカインの放出に起因する。関係すると見なされている多くのサイトカインの中でも、MSU結晶が単球および滑膜単核細胞によるIL-1放出を刺激することから、IL-1は炎症ネットワークにおける特別な役割を有すると考えられる。急性痛風の激化は通常は急激に起こり、5〜10日後に消退するが、再発を繰り返す恐れがある。] [0007] IL-1βは、単球およびマクロファージを含む多くの種々の細胞種によって分泌される炎症誘発性サイトカインである。炎症反応の一環として放出されると、IL-1βは広範囲にわたる生物学的作用をもたらすが、これらは主として、コルチコトロピン、血小板因子-4、プロスタグランジンE2(PGE2)、IL-6およびIL-8などの他の炎症メディエーターの誘導を通じて媒介される。IL-1βは、ほとんどすべての細胞種の上に認められるIL-1受容体の活性化を通じて、局所性および全身性のいずれの炎症作用も誘導する。サイトカインのインターロイキン-1(IL-1)ファミリーは、数多くの疾患状態に関係すると見なされている。IL-1ファミリーのメンバーには、IL-1α、IL-1βおよびIL-1Raが含まれる。IL-1受容体(IL-1R1およびIL-1R2)と結合する能力によって関連づけられるものの、これらのサイトカインのそれぞれは異なっており、異なる遺伝子によって発現され、異なる一次アミノ酸配列を有する。さらに、これらのサイトカインの生理的活性は互いに識別可能である。] [0008] 痛風におけるIL-1βおよび他の炎症メディエーターの明らかな関与を示す実験が複数発表されている(例えば、Petrilli et al., Joint Bone Spine (2007) 74:571-576;Pope et al., Arthritis Rheum. (2007) 56:3183-3188;Chen et al., J. Clin. Invest. (2006) 116:2073-2075;Akahoshi, T., et al., Curr. Opin. Rheumatol. (2007) 19:146-150;Martinon, F., et al., Nature (2006) 440:237-241;およびCronstein et al., Arthritis Res. Ther. (2006) 8, Suppl. 1:S3を参照)。So et al., Arthritis Res. Ther. (2007) 9(2):R28は、1日100mgの3日間にわたる皮下投与によって実施された、急性痛風の治療に関するオープンラベル試験における組換えIL-1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra、アナキンラ)の使用を記載している。McGonagle, et al., Ann. Rheum. Dis. (2007) 66:1683-1684は、1日100mgの連続皮下投与を受けた患者における痛風の治療に関する組換えIL-1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra、アナキンラ)の使用を記載している。注射用薬の毎日の投与は一般に望ましくなく、患者のコンプライアンスに問題が起こって、そのためにこの治療手段の有効性が低下する/またはその望ましさを制約する可能性がある。したがって、痛風を治療するための有効な手段、特に頻回の(例えば、毎日の)注射を必要としない治療用組成物および方法に対しては依然として需要がある。] [0009] 現行の治療に伴う問題のために、利用可能な薬学的アプローチを置き換えるか、または補完する、痛風を治療するための新たな治療法が必要とされている。本開示は、痛風(例えば、急性痛風、慢性痛風、難治性痛風)の治療のための組成物および方法を提供する。本明細書に開示される方法は、例えば、抗IL-1β抗体またはその断片を投与する段階を含む。抗体、特に高親和性を呈する抗体を用いてIL-1βリガンドを直接的に標的とする方法は、IL-1β受容体アンタゴニスト(例えば、IL-1Ra、アナキンラ)などの他の考えられる治療方法を上回る利点をもたらす。IL-1受容体アンタゴニストを基にした治療薬の難題は、そのような治療薬が多数の受容体を占有する必要があることであり、このことはこれらの受容体が赤血球を例外とするすべての細胞上で広く発現されることから、対処が困難な課題である(Dinarello, Curr. Opin. Pharmacol. 4:378-385, 2004)。本明細書に開示された疾患のような、ほとんどの免疫媒介性疾患では、体液中で測定可能な、または活性化された細胞に付随するIL-1βサイトカインの量が相対的に少ない。したがって、IL-1βリガンドを直接的に標的とする治療および/または予防の方法は、特に高親和性を有するIL-1β抗体を投与した場合には、より優れた戦略をもたらすはずである。] [0010] 本開示は、対象における痛風の治療および/または予防のための組成物および方法を対象とする。そのような組成物および方法は、痛風に罹患した、またはそのリスクのある哺乳動物対象(例えば、ヒト)を治療するために用いることができる。また、本方法および材料を、リスクのある対象における痛風の発生を予防するために用いることもできる。] [0011] 本開示の1つの局面においては、対象(例えば、ヒト対象)における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片を(例えば、治療的有効量で)対象に投与する段階を含む方法が提供される。本開示の1つの態様において、痛風は慢性痛風である。もう1つの態様において、痛風は急性痛風である。さらにもう1つの態様において、痛風は難治性痛風である。] [0012] もう1つの局面において、本開示は、対象(例えば、ヒト対象)における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片を(例えば、治療的有効量で)対象に投与する段階を含み、抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも50%の軽減を達成するのに十分であるような方法が提供される。1つの態様において、抗IL-1β抗体またはその断片は、関節疼痛の少なくとも60%の軽減、関節疼痛の少なくとも70%の軽減、関節疼痛の少なくとも80%の軽減、関節疼痛の少なくとも90%の軽減、関節疼痛の少なくとも95%の軽減、または関節疼痛の100%の軽減を達成するのに十分である。] [0013] 本開示のもう1つの局面において、抗体または断片の用量は、C反応性タンパク質(CRP)レベルの少なくとも20%の低下、CRPレベルの少なくとも30%の低下、CRPレベルの少なくとも40%の低下、CRPレベルの少なくとも50%の低下、CRPレベルの少なくとも60%の低下、CRPレベルの少なくとも70%の低下、CRPレベルの少なくとも80%の低下、CRPレベルの少なくとも90%の低下を達成するのに十分である。1つの好ましい態様において、抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも50%の軽減、ならびにCRPレベルの少なくとも20%の低下、CRPレベルの少なくとも30%の低下、CRPレベルの少なくとも40%の低下、CRPレベルの少なくとも50%の低下、CRPレベルの少なくとも60%の低下、CRPレベルの少なくとも70%の低下、CRPレベルの少なくとも80%の低下、および/またはCRPレベルの少なくとも90%の低下を達成するのに十分である。] [0014] 本開示のもう1つの局面において、抗体または断片の用量は、赤血球沈降速度(ESR)の少なくとも20%の低下、ESRの少なくとも40%の低下、ESRの少なくとも50%の低下、ESRの少なくとも60%の低下、ESRの少なくとも70%の低下、ESRの少なくとも80%の低下、ESRの少なくとも90%の低下を達成するのに十分である。1つの好ましい態様において、抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも50%の軽減、ならびにESRの少なくとも20%の低下、ESRの少なくとも40%の低下、ESRの少なくとも50%の低下、ESRの少なくとも60%の低下、ESRの少なくとも70%の低下、ESRの少なくとも80%の低下、および/またはESRの少なくとも90%の低下を達成するのに十分である。] [0015] もう1つの局面において、本開示は、対象(例えば、ヒト対象)における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片を(例えば、治療的有効量で)対象に投与する段階を含み、抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも50%の軽減、CRPレベルの少なくとも20%の低下およびESRの少なくとも20%の低下を達成するのに十分であるような方法を提供する。1つの態様において、抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも50%の軽減、CRPレベルの少なくとも30%の低下およびESRの30%の低下を達成するのに十分である。もう1つの態様において、抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも50%の軽減、CRPレベルの少なくとも40%の低下およびESRの40%の低下を達成するのに十分である。もう1つの態様において、抗IL-1β抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも60%の軽減、CRPレベルの少なくとも20%の低下およびESRの少なくとも20%の低下を達成するのに十分である。もう1つの態様において、抗IL-1β抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも60%の軽減、CRPレベルの少なくとも40%の低下およびESRの少なくとも40%の低下を達成するのに十分である。もう1つの態様において、抗IL-1β抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも60%の軽減、CRPレベルの少なくとも50%の低下およびESRの少なくとも50%の低下を達成するのに十分である。さらにもう1つの態様において、抗IL-1β抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも70%の軽減、CRPレベルの少なくとも20%の低下およびESRの少なくとも20%の低下を達成するのに十分である。もう1つの態様において、抗IL-1β抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも70%の軽減、CRPレベルの少なくとも40%の低下およびESRの少なくとも40%の低下を達成するのに十分である。もう1つの態様において、抗IL-1β抗体または断片の用量は、関節疼痛の少なくとも70%の軽減、CRPレベルの少なくとも50%の低下およびESRの少なくとも50%の低下を達成するのに十分である。] [0016] 本明細書に開示された方法に用いられる抗IL-1β抗体または抗体断片は、一般に、IL-1βと高親和性で結合する。1つの好ましい態様において、本開示は、対象(例えば、ヒト対象)における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片を(例えば、治療的有効量で)対象に投与する段階を含み、抗体または抗体断片が、約10nMもしくはそれ未満、約5nMもしくはそれ未満、約1nMもしくはそれ未満、約500pMもしくはそれ未満、約250pMもしくはそれ未満、約100pMもしくはそれ未満、約50pMもしくはそれ未満、または約25pMもしくはそれ未満の解離定数でIL-1βと結合するような方法を提供する。特に好ましい態様において、抗体または抗体断片は、ヒトIL-1βと、約100pMもしくはそれ未満、約50pMもしくはそれ未満、約10pMもしくはそれ未満、約5pMもしくはそれ未満、約3pMもしくはそれ未満、約1pMもしくはそれ未満、約0.75pMもしくはそれ未満、約0.5pMもしくはそれ未満、約0.3pMもしくはそれ未満、約0.2pMもしくはそれ未満、または約0.1pMもしくはそれ未満の解離定数で結合する。] [0017] 本発明のもう1つの局面において、抗IL-1β抗体または抗体断片は中和抗体である。もう1つの局面において、抗IL-1β抗体または抗体断片は、結合した抗体または断片がIL-1βのIL-1受容体I(IL-1RI)との結合を実質的に許容するように、IL-1βエピトープと結合する。もう1つの局面において、抗IL-1β抗体または抗体断片はIL-1βと結合するが、結合されたIL-1βがIL-1受容体I(IL-1RI)と結合するのを実質的に妨げない。もう1つの局面において、抗体または抗体断片は、IL-1α、IL-1RまたはIL-1Raのいずれとも検出可能には結合しない。本発明のさらにもう1つの局面において、抗体または抗体断片は、配列 中に含まれるエピトープと結合する。もう1つの局面において、抗体またはその断片は、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合する。] [0018] 本発明のさらにもう1つの局面において、抗体または抗体断片は、IL-1βのGlu64を包含するエピトープと結合する。本発明のさらにもう1つの局面において、抗体または抗体断片は、IL-1βのN末端のアミノ酸1〜34と結合する。好ましくは、抗体または抗体断片は、ヒト型に設計されている(human engineered)、ヒト化されている、またはヒトのものである。] [0019] もう1つの局面において、本発明は、痛風の症状を呈しているか、またはそのリスクのある対象(例えば、哺乳動物、ヒト)を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片を対象に1回または複数回投与する段階を含む方法を提供する。] [0020] 本発明のもう1つの局面においては、対象(例えば、哺乳動物、ヒト)における痛風を治療するための方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片をヒトに投与する段階を含み、IL-1β抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に、1回または複数回の後続用量(subsequent dose)の投与を行う方法が提供される。1つの態様においては、抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に、2回またはそれ以上の後続用量の投与を行う。もう1つの態様においては、抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に、1回または複数回の後続用量の投与を行い、ここで前記1回または複数回の後続用量は、初回用量とほぼ同じであるか、またはそれよりも少ない量である。もう1つの態様においては、抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に、1回または複数回の後続用量の投与を行い、ここで後続用量の少なくとも1つは初回用量よりも多い量である。さらにもう1つの態様において、抗体または抗体断片の投与は、急性痛風の各エピソードにつき1回である。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0021] 1つの態様においては、抗体の、2回もしくはそれ以上、3回もしくはそれ以上、4回もしくはそれ以上、5回もしくはそれ以上、6回もしくはそれ以上、7回もしくはそれ以上、8回もしくはそれ以上、9回もしくはそれ以上、10回もしくはそれ以上、または11回もしくはそれ以上の後続用量が投与される。もう1つの態様において、初回用量、および1回または複数回の各後続用量の投与は、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、少なくとも約3カ月、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月または少なくとも約12カ月の間隔で互いに隔たっている。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0022] もう1つの態様において、抗体または断片は、5mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、3mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、2mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、1mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.75mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.5mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.3mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.1mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.03mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.01mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.003mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、または0.001mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片である1回または複数回の用量で投与される。好ましくは、前述の態様のそれぞれにおいて、抗体または断片は、少なくとも0.01mg/kgの抗体もしくは断片、少なくとも0.01mg/kgの抗体もしくは断片、または少なくとも0.03mg/kgの抗体もしくは断片である1回または複数回の用量で投与される。好ましくは、抗体または断片は、0.001mg/kg〜1mg/kg、0.001mg/kg〜0.3mg/kg、0.003mg/kg〜1mg/kg、0.003mg/kg〜0.3mg/kgである1回または複数回の用量で投与される。上記の投与量は、mg(抗体または断片)/kg(治療しようとする個体の重量)を指す。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合を競合しうる。] [0023] もう1つの態様において、抗体または断片の初回用量、および1回または複数回の後続用量はそれぞれ、約0.01mg/kg〜約10mg/kgの抗体、約0.03〜約1mg/kgの抗体、約0.03〜約0.3mg/kgの抗体、約0.05〜約5mg/kgの抗体、約0.05mg/kg〜約3mg/kgの抗体、約0.1mg/kg〜約3mg/kgの抗体、約0.1mg/kg〜約1mg/kgの抗体、約0.1mg/kg〜約0.5mg/kgの抗体、約0.3mg/kg〜約5mg/kgの抗体、約0.3mg/kg〜約3mg/kgの抗体、約0.3mg/kg〜約1mg/kgの抗体、約0.5mg/kg〜約5mg/kgの抗体、約0.5mg/kg〜約3mg/kgの抗体、約0.5mg/kg〜約1mg/kgの抗体、約1mg/kg〜約5mg/kgの抗体、または約1mg/kg〜約3mg/kgの抗体である。ある態様においては、2回もしくはそれ以上、3回もしくはそれ以上、4回もしくはそれ以上、5回もしくはそれ以上、6回もしくはそれ以上、7回もしくはそれ以上、8回もしくはそれ以上、9回もしくはそれ以上、10回もしくはそれ以上、または11回もしくはそれ以上の後続用量が投与される。上記の投与量は、mg(抗体または断片)/kg(治療しようとする個体の重量)を指す。本明細書では以後、投与量について言及された場合には同じことが当てはまる。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0024] もう1つの局面において、本発明は、対象(例えば、ヒト)における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体もしくはその断片の治療的有効量を、約5mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、3mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、2mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、1mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.75mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.5mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.3mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、0.1mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、または0.03mg/kgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片である初回用量、および初回用量とほぼ同じであるかまたはそれよりも少ない量である抗体または断片の複数回の後続用量として、対象に投与する段階を含む方法を提供する。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0025] 好ましくは、抗体または断片が初回用量および複数回の後続用量として投与される前述の態様において、抗体もしくは断片の用量は、少なくとも0.001mg/kgの抗体もしくは断片、少なくとも0.003mg/kgの抗体もしくは断片、少なくとも0.01mg/kgの抗体もしくは断片、少なくとも0.03mg/kgの抗体もしくは断片、少なくとも0.05mg/kgの抗体もしくは断片、または少なくとも0.09mg/kgの抗体もしくは断片である。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0026] 本発明のさらにもう1つの局面において、抗体または断片は、用量/対象重量比(a dose per subject weight ratio)とは関係なく、固定用量として投与される。1つの態様において、抗体または断片は、1000mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、750mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、500mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、250mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、100mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、約25mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、約10mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片、または約1.0mgもしくはそれ未満の抗体もしくは断片である1回または複数回の固定用量で投与される。もう1つの態様において、抗体または断片は、少なくとも約0.1mgの抗体もしくは断片、少なくとも約1mgの抗体もしくは断片、少なくとも約5mgの抗体もしくは断片、または少なくとも約10mgの抗体もしくは断片である1回または複数回の固定用量で投与される。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0027] ある態様において、固定用量は、約1mg〜約10mg、約1mg〜約25mg、約10mg〜約25mg、約10mg〜約50mg、約10mg〜約100mg、約25mg〜約50mg、約25mg〜約100mg、約50mg〜約100mg、約50mg〜約150mg、約100mg〜約150mg、約100mg〜約200mg、約150mg〜約200mg、約150mg〜約250mg、約200mg〜約250mg、約200mg〜約300mg、約250mg〜約300mg、約250mg〜約500mg、約300mg〜約400mg、約400mg〜約500mg、約400mg〜約600mg、約500mg〜約750mg、約600mg〜約750mg、約700mg〜約800mg、約750mg〜約1000mgである。1つの好ましい態様において、固定用量は、約0.1mg〜約100mg、約1.0mg〜約100mgまたは約1.0mg〜約50mgである1回または複数回の用量で投与される。もう1つの好ましい態様において、固定用量は、約1mg〜約10mg、約1mg〜約25mg、約10mg〜約25mg、約10mg〜約100mg、約25mg〜約50mg、約50mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約150mg〜約200mg、約200mg〜約250mgからなる群より選択される。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0028] もう1つの局面において、本発明は、対象における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に1回または複数回の後続用量の投与を行い、ヒトにおける前記抗体または抗体断片の血漿中濃度が、前記初回用量および1回または複数回の後続用量を用いた治療の過程にわたり、投与の間に、約1週間よりも長く、かつ約6カ月未満である期間にわたって約0.1ug/mLのレベル未満に低下することが許容される方法を提供する。1つの態様において、前記抗体または抗体断片の血漿中濃度は、投与の間に、約1週間よりも長く、かつ約5カ月、約4カ月、約3カ月、約2カ月、約1カ月、約3週間または約2週間よりも短い期間にわたって約0.07ug/mL、約0.05ug/mL、約0.03ug/mLまたは約0.01ug/mLのレベル未満に低下することが許容される。1つの態様において、これらの血漿中の値は、本発明による抗体または断片を用いて治療された個体で得られる値である。1つの態様において、そのような個体は、痛風に罹患した患者であってよい。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0029] 本発明は、本明細書に記載した方法に従って用いられる抗IL-1β抗体または断片を、前述のいずれかの用量の量、後続投与の回数および投与間の投薬間隔の投与しうること、ならびに開示されたいずれかの用量の量、後続投与の回数および投与間の投薬間隔を代替的なレジメンにおいて互いに組み合わせて治療的利益を調節しうることを想定している。ある態様において、1回または複数回の後続用量は、投与される最初の用量とほぼ同じであるかまたはそれよりも少ない量である。もう1つの態様において、1回または複数回の後続用量は、投与される最初の用量よりもほぼ多い量である。好ましくは、抗IL-1β抗体または断片は、皮下、筋肉内または静脈内注射によって投与される。本発明は、抗体または断片の各用量を1つまたは複数の部位に投与しうることを想定している。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0030] 1つの態様においては、抗IL-1β抗体または断片を、疾患、状態または合併症に対する少なくとも1つの他の医学的に認められている治療と組み合わせて投与する。もう1つの態様においては、疾患、状態または合併症に対する少なくとも1つの他の医学的に認められている治療を減らすかまたは中止し、一方、抗IL-1β抗体または断片による治療を一定の投薬レジメンで維持する。もう1つの態様においては、疾患、状態または合併症に対する少なくとも1つの他の医学的に認められている治療を減らすかまたは中止し、抗IL-1β抗体または断片による治療も減らす。もう1つの態様においては、疾患、状態または合併症に対する少なくとも1つの他の医学的に認められている治療を減らすかまたは中止し、抗IL-1β抗体または断片による治療を増やす。さらにもう1つの態様においては、疾患、状態または合併症に対する少なくとも1つの他の医学的に認められている治療を維持し、抗IL-1β抗体または断片による治療を減らすかまたは中止する。さらにもう1つの態様においては、疾患、状態または合併症に対する少なくとも1つの他の医学的に認められている治療、および抗IL-1β抗体または断片による治療を減らすかまたは中止する。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0031] もう1つの局面において、本明細書で提供される方法は、少なくとも1つの追加の治療方法と併用され、前記追加の治療方法は、IL-1β抗体または断片以外の活性作用物質を含む少なくとも1つの薬学的組成物を投与する段階を含む。さらにもう1つの局面において、本方法は、少なくとも1つの追加の治療方法の必要性を防ぐかまたは遅延させ、前記追加の治療方法は、IL-1β抗体または断片以外の活性作用物質を含む少なくとも1つの薬学的組成物を投与する段階を含む。さらにもう1つの局面において、本方法は、少なくとも1つの追加の治療方法の量、頻度または継続時間を減らし、前記追加の治療方法は、IL-1β抗体または断片以外の活性作用物質を含む少なくとも1つの薬学的組成物を投与する段階を含む。さらにもう1つの態様においては、少なくとも1つの活性作用物質による治療を維持する。もう1つの態様においては、少なくとも1つの活性作用物質による治療を減らすかまたは中止し、一方、抗IL-1β抗体または断片による治療を一定の投薬レジメンで維持する。もう1つの態様においては、少なくとも1つの活性作用物質による治療を減らすかまたは中止し、抗IL-1β抗体または断片による治療も減らす。もう1つの態様においては、少なくとも1つの活性作用物質による治療を減らすかまたは中止し、抗IL-1β抗体または断片による治療を増やす。さらにもう1つの態様においては、少なくとも1つの活性作用物質による治療を維持し、抗IL-1β抗体または断片による治療を減らすかまたは中止する。さらにもう1つの態様においては、少なくとも1つの活性作用物質による治療、および抗IL-1β抗体または断片による治療を減らすかまたは中止する。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0032] もう1つの局面において、本発明は、対象における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に1回または複数回の後続用量の投与を行い、ヒトにおける前記抗体または抗体断片の血漿中濃度が、前記初回用量および1回または複数回の後続用量を用いた治療の過程にわたり、少なくとも約0.03ug/mL、少なくとも約0.05ug/mL、少なくとも約0.08ug/mL、少なくとも約0.1ug/mL、少なくとも約0.15ug/mL、少なくとも約0.2ug/mL、少なくとも約0.25ug/mL、少なくとも約0.3ug/mL、少なくとも約0.4ug/mL、少なくとも約0.5ug/mL、少なくとも約0.6ug/mL、少なくとも約0.8ug/mL、少なくとも約1ug/mL、少なくとも約1.5ug/mL、少なくとも約2ug/mL、少なくとも約3ug/mL、少なくとも約4ug/mLまたは少なくとも約5ug/mLのレベルに維持される方法を提供する。1つの態様において、これらの血漿中の値は、本発明による抗体または断片を用いて治療された個体で得られる値である。1つの態様において、そのような個体は、痛風に罹患した患者であってよい。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、結合ofSEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0033] もう1つの局面において、本発明は、対象における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、抗体またはその断片が、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストよりも低いIC50を有するような方法を提供する。1つの態様において、抗体または断片は、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストのIC50の約90%、80%、70%、60%、50%よりも小さいIC50を有する。1つのさらなる態様において、抗体または断片は、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストのIC50の約40%、30%、20%、10%よりも小さいIC50を有する。1つの好ましい態様において、抗体または断片は、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストのIC50の約8%、5%、4%、3%、2%、1%よりも小さいIC50を有する。1つの態様において、IL-1β受容体アンタゴニストはアナキンラ(すなわち、キネレット(Kineret)(登録商標))である。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0034] もう1つの局面において、本発明は、対象における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、抗体またはその断片が、参照により本明細書に組み入れられる、Economides et al., Nature Med., 9:47-52 (2003)によって記載されたアッセイを用いて対照個体と比較して、マウスにおけるIL-1βにより刺激されるIL-6放出のインビボ阻害をもたらすような方法を提供する。1つの態様において、抗体または断片は、対照抗体と比較して、マウスにおけるIL-1βにより刺激されるIL-6放出の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%のインビボ阻害をもたらす。1つのさらなる態様において、抗体または断片は、対照抗体と比較して、マウスにおけるIL-1βにより刺激されるIL-6放出の少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%のインビボ阻害をもたらす。1つの態様において、対照抗体はアイソタイプ対照抗体である。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0035] もう1つの局面において、本発明は、対象における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、抗体またはその断片が、抗体を全く用いない対照と比較して、ヒト全血における表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)により誘導されるサイトカイン産生を阻害するような方法を提供する。1つの態様において、抗体または断片は、対照と比較して、ヒト全血における表皮ブドウ球菌により誘導されるサイトカイン産生の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%を上回るレベルの阻害をもたらす。1つのさらなる態様において、抗体または断片は、対照と比較して、ヒト全血における表皮ブドウ球菌により誘導されるサイトカイン産生の少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%を上回るレベルの阻害をもたらす。1つの態様において、阻害されるサイトカインはIL-1β、IL-1a、IL-6、IL-8、IL-1Ra、TNFαまたはIFNγである。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0036] もう1つの局面において、本発明は、痛風の治療に用いるための組成物の製造における、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストよりも低いIC50を有する抗IL-1β抗体またはその断片の使用法を開示する。1つの態様において、IL-1β受容体アンタゴニストはアナキンラ(すなわち、キネレット(登録商標))である。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合を阻害しうる。] [0037] 本発明のもう1つの局面においては、本明細書に開示されたような疾患または状態を治療または予防するための医薬品の製造における、IL-1β抗体または結合性断片の使用法が想定される。使用法の任意のものにおいて、医薬品を第2の活性作用物質を用いる治療と連係して働かせることができる。本発明のもう1つの態様においては、本明細書に開示されたような疾患または状態を発症するリスクのある症状を呈している患者を治療するための医薬品の調製のための本発明の抗体の相乗的組み合わせの使用法であって、医薬品を第2の活性作用物質を用いる治療と連係して働かせる使用法が想定される。医薬品におけるIL-1β結合性抗体または断片の量が、治療効果を達成するために必要な第2の活性作用物質の投与量を減らすのに有効な用量である、前述の使用法のいずれかの態様が想定される。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0038] 本発明のさらにもう1つの局面においては、容器、抗IL-1β抗体またはその断片を含む容器内の組成物、および治療を必要とするヒトに対して本発明の前述の方法に従って抗体または断片を投与するための説明書を含む添付文書を含む。1つの態様において、容器はさらに、薬学的に適した担体、添加剤または希釈剤を含む。1つの関連した態様において、容器内の組成物はさらに、第2の活性作用物質を含む。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0039] キットも本発明によって想定される。1つの態様において、キットは、バイアルまたは瓶などの容器内にパッケージ化された抗IL-1β抗体または断片の治療的有効量または予防的有効量を含み、さらに容器に貼付されたかまたは容器とともにパッケージ化されたラベルを含み、そのラベルは容器の内容物を記載するとともに、本発明の前述の方法に従った疾患または状態の治療または予防のための容器の内容物の使用法に関する適応症および/または説明書を提示する。1つの態様において、容器はさらに、薬学的に適した担体、添加剤または希釈剤を含む。1つの関連した態様において、容器はさらに、第2の活性作用物質を含む。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0040] 1つの態様において、製品、キットまたは医薬品は、対象における痛風の治療用または予防用である。もう1つの態様において、製品の添付文書またはキットのラベルの説明書は、前述したいずれかの用量の量、後続投与の回数および投与間の投薬間隔、ならびに本明細書に記載されたいずれかの用量の量、後続投与の回数および投与間の投薬間隔の任意の組み合わせに従った、抗体または断片の投与のための説明書を含む。さらにもう1つの態様において、キットまたは製品の容器は予め充填されたシリンジである。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0041] 本開示のもう1つの局面においては、対象(例えば、ヒト対象)において尿酸一ナトリウム(MSU)結晶により誘導される炎症誘発性サイトカイン放出を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片の治療的有効量を対象に投与する段階を含む方法が提供される。1つの態様において、炎症誘発性サイトカインはIL-1βである。もう1つの態様において、炎症誘発性サイトカインはIL-6である。これらの態様においては、例えば、IL-1βと100pM未満の解離定数で結合する抗体または抗体断片(例えば、中和抗体)を用いることができる。そのような抗体またはその断片は、IL-1βに対する、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合しうる。] [0042] 本明細書が、ある特定の特性(Kd値またはIC50値など)を有する抗体またはその断片を利用する治療の方法に言及する場合、これはまた、これらの方法に用いるための医薬品の製造におけるそのような抗体またはその断片の使用法を具体的に例示する意図があることが理解されるべきである。さらに、本発明はまた、これらの特性を有する抗体またはその断片、ならびに本明細書で以下に考察する治療の方法に用いるための、これらの抗体またはその断片を含む薬学的組成物も範囲に含む。] 図面の簡単な説明 [0043] IL-1により誘導されるIL-8産生にかかわる、AB7と命名された抗体およびキネレット(登録商標)に関するインビトロIL-1β阻害実験の結果を示しているグラフである。 IL-1により刺激されるIL-6放出にかかわる、AB5およびAB7と命名された抗体に関するインビボIL-1β阻害実験の結果を示しているグラフである。 ヒトIL-1β(パネルA)対マウスIL-1β(パネルB)の阻害を比較した、IL-1により刺激されるIL-6放出にかかわる、AB7と命名された抗体に関するインビボIL-1β阻害実験の結果を示しているグラフである。 ラットにおける0.1、1または10mg/kgの抗IL-1β抗体の投与後の血清中濃度を示しているグラフである。 カニクイザルにおける0.3または3mg/kgの抗IL-1β抗体の投与後の血清中濃度を示しているグラフである。 0.1、0.3、1または3mg/kgを月1回ずつ5回投与した後のカニクイザルにおける抗IL-1β抗体の血漿中濃度プロフィールをモデル化しているグラフである。 抗IL-1β抗体による治療による、ヒト全血における表皮ブドウ球菌により誘導されるサイトカイン産生の減少を示している表である。 用量0.01mg/kgの抗体の投与後のヒトにおけるAB7の薬物動態を示しているグラフである。 2型糖尿病を有するヒト対象における0.01、0.03、0.1、0.3または1.0mg/kgの抗IL-1β抗体の投与後の血清中濃度を示しているグラフである。 2型糖尿病を有するヒト対象における0.01、0.03、0.1、0.3または1.0mg/kgの抗IL-1β抗体の投与後第28日時点でのCRPの変化率の中央値を示しているグラフである。 図10Aおよび10Bは、MSU結晶により誘導される急性痛風のマウスモデルにおける抗IL-1β抗体の効力を示しているグラフである。] [0044] 詳細な説明 本開示は、抗IL-1β抗体またはその断片の1回または複数回の用量を対象に投与する段階を含む、対象における痛風(例えば、急性痛風、慢性痛風、難治性痛風)の治療のための方法および関連製品を対象とする。現行の治療に伴う問題のために、利用可能な薬学的アプローチを置き換えるか、または補完する、痛風を治療するための新たな治療法が必要とされている。本明細書に開示される方法は、例えば、抗IL-1β抗体またはその断片を投与する段階を含む。抗体、特に高親和性を呈する抗体を用いてIL-1βリガンドを直接的に標的とする方法は、IL-1β受容体アンタゴニスト(例えば、IL-1Ra、アナキンラ、Kineret(登録商標))などの他の考えられる治療方法を上回る利点を与える。IL-1受容体アンタゴニストを基にした治療薬の難題は、そのような治療薬が多数の受容体を占有する必要があることであり、このことはこれらの受容体が赤血球を例外とするすべての細胞上で広く発現されることから、対処が困難な課題である(Dinarello, Curr. Opin. Pharmacol. 4:378-385, 2004)。本明細書に開示された疾患のような、ほとんどの免疫媒介性疾患では、体液中で測定可能な、または活性化された細胞に付随するIL-1βサイトカインの量が相対的に少ない。以下の実施例で説明されているように、本発明者らは驚いたことに、本明細書に開示されたものなどの抗体を用いて、極めて低用量を含む、広範囲にわたる用量にわたって所望のレベルの活性を達成することができることを見いだした。したがって、IL-1βリガンドを直接的に標的とする治療および/または予防の方法は、より優れた戦略をもたらすはずである。] [0045] IL-1βは、単球およびマクロファージを含むいくつかの異なる細胞型によって分泌される炎症誘発性サイトカインである。IL-1βは炎症反応の一部として放出されると、主にコルチコトロピン、血小板第4因子、プロスタグランジンE2(PGE2)、IL-6、およびIL-8などの他の炎症性メディエータの誘導を通して媒介される一連の生物学的作用を引き起こす。IL-1βは、ほぼすべての細胞型に見出されるIL-1受容体の活性化を通して、局所的および全身的炎症作用の両方を誘導する。] [0046] インターロイキン-1(IL-1)ファミリーのサイトカインは、関節リウマチ(RA)、変形性関節症、クローン病、潰瘍性大腸炎(UC)、敗血症性ショック、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、移植片対宿主病、アテローム性動脈硬化、成人T細胞白血病、多発性骨髄腫、多発性硬化症、卒中発作、およびアルツハイマー病などのいくつかの疾患状態に関連づけられている。IL-1ファミリーメンバーには、IL-1α、IL-1β、およびIL-1Raが含まれる。IL-1受容体(IL-1R1、IL-1R2)に結合する能力によって関連しているが、これらのサイトカインはそれぞれ異なる遺伝子によって発現され、異なる一次アミノ酸配列を有する。さらに、これらのサイトカインの生理的活性も互いに区別され得る。] [0047] IL-1受容体シグナル伝達を破壊する化合物が、例えば上記の疾患のいくつかなどのIL-1介在性疾患を治療する治療薬として検討されてきた。これらの化合物には、組換えIL-1Ra(Amgen Inc.、カリフォルニア州、サウザンドオークス)、IL-1受容体「捕捉」ペプチド(Regeneron Inc.、ニューヨーク州、タリタウン)に加えて、動物由来IL-1β抗体および組換えIL-1β抗体ならびにそれらの断片が含まれる。] [0048] 上記したように、IL-1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra)ポリペプチドが、通風の治療における使用に提案されたが(So et al., 2007, ibid; McGonagle et al., 2007, ibid)、通風を治療するための有効な手段、特に毎日の反復注射を必要としない手段の必要性が依然として残る。IL-1受容体アンタゴニストに基づく治療薬のさらなる課題は、そのような治療薬が多数の受容体を占有する必要性であり、これらの受容体は赤血球を除くすべての細胞で広く発現されていることから、これは厄介な課題である(Dinarello, Curr. Opin. Pharmacol. 4:378-385, 2004)。本明細書に開示する疾患などの大部分の免疫介在性疾患において、体液中で測定可能な、または活性化細胞と会合しているIL-1βサイトカインの量は比較的少ない。したがって、IL-1βリガンドを直接標的化する治療および/または予防方法は、特に高親和性を有するIL-1β抗体を投与する場合、優れた戦略である。] [0049] 本発明は、IL-1βに特異的な抗体またはその断片を使用する、対象(例えば、哺乳動物、ヒト)における通風の治療および/または予防のための方法ならびに関連する組成物および製品を提供する。] [0050] 本発明者らは驚くべきことに、以下の実施例1に示すように、そのような抗体(例えば、きわめて高い親和性を有する)がIL-Ra(例えば、Kineret(登録商標))よりもはるかに強力なIL-1経路の阻害薬となり得、また組換えIL-1Raなどの他の薬剤に必要なよりも少ない用量で、および/または低い頻度の投与で治療効果を達成する機会を提供することを見出した。] [0051] IL-1β抗体または断片による本明細書に記載するような方法は、通風(例えば、急性通風、慢性通風、難治性通風)に罹患している対象の治療を含み得る。本方法は、通風(例えば、急性通風、慢性通風、難治性通風)の発生の予防、またはリスクのある対象におけるそれらの発生の予防も含み得る。] [0052] 抗体、ヒト化抗体、およびヒト型に設計された抗体 本発明のIL-1(例えばIL-1β)結合抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、組換え抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、完全なヒト抗体、一本鎖抗体、および/または二重特異性抗体、ならびに酵素的切断、ペプチド合成、もしくは組換え技法を含むがこれらに限定されない公知の技法によって提供されるそれらの変種および誘導体を含む断片として提供され得る。] [0053] 抗体は一般に重鎖ポリペプチド2本および軽鎖ポリペプチド2本を含むが、重鎖1本および軽鎖1本を有する単一ドメイン抗体、ならびに軽鎖を欠く重鎖抗体もまた意図される。重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと称される5種類の重鎖が存在する。これらの異なる種類の重鎖により、IgGの4つのサブクラス、すなわちIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む5つのクラスの抗体、それぞれIgA(IgA1およびIgA2を含む)、IgD、IgE、IgG、およびIgMが生じる。同様に、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)またはラムダ(λ)と称される2種類の軽鎖が存在する。全長抗体は、定常ドメインおよび可変ドメインを含む。抗体の抗原結合断片に、定常領域が存在する必要はない。本明細書に開示する抗体の抗原結合断片には、Fab、Fab'、F(ab')2、およびF(v)抗体断片が含まれ得る。以下にさらに詳述するように、IL-1β結合断片は、IL-1βと結合する抗体断片および抗原結合ポリペプチドを包含する。] [0054] 抗体またはその抗原結合断片の重鎖および軽鎖配列はそれぞれ、3つの相補性決定領域(CDR)および非CDRフレームワーク領域(FR)を有する可変領域を含む。本明細書で使用する「重鎖」および「軽鎖」という用語は、特記しない限り、それぞれ重鎖可変領域および軽鎖可変領域を意味する。重鎖CDRは、本明細書においてCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と称する。軽鎖CDRは、本明細書においてCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3と称する。抗体配列中の可変領域およびCDRは、(i)当技術分野において開発された一般規則に従って、または(ii) 公知の可変領域のデータベースに対して配列を整列させることによって同定することができる。これらの領域を同定する方法は、Kontermann and Dubel, eds., Antibody Engineering, Springer, New York, NY, 2001、およびDinarello et al., Current Protocols in Immunology, John Wiley and Sons Inc., Hoboken, NJ, 2000に記載されている。抗体配列のデータベースは、www.bioinf.org.uk/absの「The Kabatman」データベース(ロンドン大学ユニバーシティーカレッジ、生化学&分子生物学学科、英国、ロンドンのA.C. Martinによって維持されている)、およびRetter et al., Nucl. Acids Res., 33(Database issue): D671-D674 (2005)に記載されているwww.vbase2.orgのVBASE2に記載されており、これらを通じてアクセスすることができる。「Kabatman」データベースウェブサイトはまた、CDRを同定するための一般的経験則も含んでいる。本明細書で使用する「CDR」という用語は、特記しない限り、Kabat et al., Sequences of Immunological Interest, 5th ed., U.S. Department of Health and Human Services, 1991において定義されるものと同様である。] [0055] ポリクローナル抗体は好ましくは、関連抗原およびアジュバントを複数回皮下(sc)または腹腔内(ip)注射することによって動物で産生される。二官能性剤または誘導体化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基による結合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基による)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、または当技術分野で公知の他の薬剤を用いて、免疫する種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビターに関連抗原を結合させることによって、向上した抗体応答を得ることができる。] [0056] 例えばタンパク質またはコンジュゲート100μgまたは5μg(それぞれ、ウサギまたはマウスの場合)を3倍量のフロイント完全アジュバントと混合し、この溶液を複数部位に皮内注射することによって、動物を抗原、免疫原性コンジュゲート、または誘導体に対して免疫する。1カ月後、フロイント完全アジュバント中の初回量の1/5〜{割合(1/10)}のペプチドまたはコンジュゲートを複数部位に皮下注射することにより、動物を追加免疫する。追加免疫注射の7〜14日後に、動物から採血し、血清を抗体価についてアッセイする。力価がプラトーに達するまで、動物を追加免疫する。好ましくは、同じ抗原のコンジュゲートであるが、異なるタンパク質に、および/または異なる架橋試薬によって結合させたコンジュゲートで、動物を追加免疫する。コンジュゲートは、タンパク質融合物として組換え細胞培養で作製することもできる。また、免疫応答を増強させるために、ミョウバンなどの凝集剤も適切に用いられる。] [0057] モノクローナル抗体とは、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指す。モノクローナル抗体は一般的に高度に特異的であり、典型的に異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、単一の抗原性部位に対して指向され得る。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、均一な培養により合成され、異なる特異性および特徴を有するその他の免疫グロブリンが混入していないという点で有利である。] [0058] 本発明に従って使用するモノクローナル抗体は、Kohler et al., (Nature, 256:495-7, 1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製することもできるし、または組換えDNA法によって作製することもできる(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)。モノクローナル抗体は、例えばClackson et al., (Nature 352:624-628, 1991)およびMarks et al., (J. Mol. Biol. 222:581-597, 1991)に記載されている技法を用いて、ファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。] [0059] ハイブリドーマ法では、マウスまたはその他の適切な宿主動物、例えばハムスターもしくはマカクザルなどを本明細書に記載する通りに免疫して、免疫化に使用したタンパク質に特異的に結合する抗体を産生するか、または産生し得るリンパ球を誘発する。または、リンパ球をインビトロで免疫してもよい。次いで、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を用いて、リンパ球を骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成させる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp. 59-103 (Academic Press, 1986))。] [0060] このようにして調製したハイブリドーマ細胞を、好ましくは融合していない親骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する1つまたは複数の物質を含む適切な培養液に播種し、増殖させる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合には、ハイブリドーマ用の培養液は典型的に、HGPRT欠損細胞の増殖を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む(HAT培地)。] [0061] 好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高レベル産生を支持し、培地に対して感受性のある細胞である。ヒト骨髄腫細胞株およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞系もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生に関して記載されている(Kozbor, J. Immunol., 133: 3001 (1984);Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。例示的なマウス骨髄腫株には、Salk Institute Cell Distribution Center、米国、カリフォルニア州、サンディエゴから入手可能なMOP-21およびM.C.-11マウス腫瘍に由来する株、ならびにアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、米国、メリーランド州、ロックビルから入手可能なSP-2またはX63-Ag8-653細胞が含まれる。] [0062] ハイブリドーマ細胞が増殖している培養液を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されたモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降により、または放射性免疫測定法(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)などのインビトロ結合アッセイ法により決定する。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばスキャッチャード解析により決定することができる(Munson et al., Anal. Biochem., 107:220 (1980))。] [0063] 所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、限界希釈手順によりクローンをサブクローニングし、標準的な方法により増殖させることができる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp. 59-103 (Academic Press, 1986))。この目的に適した培養液には、例えばDMEMまたはRPMI-1640培地が含まれる。加えて、ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍としてインビボで増殖させることもできる。サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製手順により、培養液、腹水、または血清から適切に分離する。] [0064] 本発明の抗体を、当技術分野で周知であり、本明細書に記載される抗体のより小さな抗原結合断片として使用できることがさらに意図される。] [0065] 本発明は、全長重鎖2本および全長軽鎖2本を含むIL-1(例えばIL-1β)結合抗体を包含する。あるいは、IL-1β結合抗体は、IL-1βに対する結合活性を保持する一本鎖抗体または「ミニ」抗体のような構築物であってよい。そのような構築物は、例えば、大腸菌(E. coli)で発現させるための一本鎖抗体のPCRによるクローニングおよび組み立てなど、当技術分野において公知の方法により調製することができる(Antibody Engineering, The practical approach series, J. McCafferty, H. R. Hoogenboom, and D. J. Chiswell, editors, Oxford University Press, 1996に記載されている)。この種の構築物では、抗体分子の重鎖および軽鎖の可変部分をcDNAからPCR増幅する。次いで、得られた単位複製配列を、例えば第2PCR段階において、アミノ酸GlyおよびSerから構成される可動性のタンパク質リンカーをコードするリンカーDNAを介して組み立てる。このリンカーによって、抗原結合ポケットが再生されて、多くの場合に親の全長二量体免疫グロブリン分子に匹敵する親和性で抗原に結合するように、重鎖および軽鎖の可変部分が折りたたまれる。] [0066] 本発明のIL-1(例えばIL-1β)結合抗体および断片は、本明細書に開示する例示的な抗体、断片、および配列の変種を包含する。変種には、本明細書に開示する例示的な抗体、断片、および配列の1つまたは複数と同じまたは実質的に同じ親和性およびエピトープ結合の特異性を有する、1つまたは複数のアミノ酸配列置換、欠失、および/または付加を含むペプチドおよびポリペプチドが含まれる。したがって、変種には、本明細書に開示する例示的な抗体、断片、および配列に対する、親和性およびエピトープ結合の特異性に実質的な変化をもたらさない1つまたは複数のアミノ酸配列置換、欠失、および/または付加を含むペプチドおよびポリペプチドが含まれる。例えば、抗体または断片の変種は、抗体または断片に対する1つまたは複数の変化に由来してよく、この場合、変化した抗体または断片は開始配列と同じまたは実質的に同じ親和性およびエピトープ結合の特異性を有する。変種は、対立遺伝子変種もしくはスプライス変種のように天然に生じるものであってよく、または人為的に構築することもできる。変種は、そのような変種をコードする対応する核酸分子から調製することができる。本抗体およびIL-1β結合断片の変種は、軽鎖および/または重鎖アミノ酸配列中に、天然に生じた、または組換えDNA技法を用いる天然配列のインビトロ操作によって導入された変化を有し得る。天然に生じる変種には、外来抗原に対する抗体応答の生成中に、対応する生殖系列ヌクレオチド配列においてインビボで生成される「体細胞」変種が含まれる。] [0067] IL-1(例えばIL-1β)結合抗体および結合断片の変種はまた、突然変異誘発技法によって調製することも可能である。例えば、抗体コード領域の至るところにアミノ酸変化を無作為に導入することができ、得られた変種をIL-1βに対する結合親和性または別の特性に関してスクリーニングすることができる。あるいは、軽鎖および/もしくは重鎖CDR、ならびに/またはフレームワーク領域などの、IL-1β抗体の選択される領域にアミノ酸変化を導入することができ、得られた抗体をIL-1βに対する結合または他の何らかの活性に関してスクリーニングすることができる。アミノ酸変化は、単一のアミノ酸相違から、CDR3のような所与のCDR内へのアミノ酸の複数置換の導入に及ぶ、CDRにおける1つまたは複数のアミノ酸置換を包含する。別の方法では、CDR内の少なくとも1つの残基をアラニンで置換することによって、CDR内の各残基のIL-1β結合に対する寄与を評価することができる。Lewis et al. (1995), Mol. Immunol. 32: 1065-72。次いで、より最適な配列を決定するために、IL-1βに対する結合に最適でない残基を変化させることができる。CDR3などのCDRの大きさを増加させるために、アミノ酸を挿入することによって作製された変種もまた包含する。例えば、大部分の軽鎖CDR3配列は9アミノ酸長である。9残基より短い抗体中の軽鎖配列は、CDRの長さを増加させるために適切なアミノ酸を挿入することによって、IL-1βに対する結合に関して最適化することができる。] [0068] 軽鎖または重鎖の「チェーン(鎖)シャフリング」によって変種を調製することも可能である。Marks et al. (1992), Biotechnology 10: 779-83。単一の軽鎖(または重鎖)を、重鎖(または軽鎖)のレパートリーを有するライブラリーと組み合わせることができ、得られた集団を、IL-1βに対する結合などの所望の活性に関してスクリーニングする。これによって、重鎖および軽鎖両方のレパートリーを含むライブラリーで可能であるよりも、単一の軽鎖(または重鎖)と組み合わせた異なる重鎖(または軽鎖)のより多くの試料をスクリーニングすることが可能になる。] [0069] 本発明のIL-1(例えばIL-1β)結合抗体および断片は、本明細書に開示する例示的な抗体、断片、および配列の誘導体を包含する。誘導体には、化学的に修飾されたポリペプチドもしくはペプチド、またはその変種、断片、もしくは誘導体が含まれる。例には、1つもしくは複数のポリマー(水溶性ポリマーなど)、N-結合型もしくはO-結合型糖鎖、糖類、リン酸、および/または他のこのような分子の共有結合が含まれる。誘導体は、結合する分子の種類または位置が天然のまたは開始のペプチドまたはポリペプチドと異なるように修飾される。誘導体は、ペプチドまたはポリペプチド上に天然に存在する1つまたは複数の化学基の欠失をさらに含む。] [0070] 本発明のIL-1β結合抗体および断片は二重特異性であってよい。二重特異性抗体または断片は、いくつかの立体配置のものであってよい。例えば、二重特異性抗体は、単一の抗体(または抗体断片)に似ているが、2つの異なる抗原結合部位(可変領域)を有し得る。二重特異性抗体は、化学的技法によって(Kranz et al. (1981), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78: 5807)、「ポリドーマ(polydoma)」技法によって(米国特許第4,474,893号)、または組換えDNA技法によって作製することができる。本発明の二重特異性抗体は、その少なくとも1つがIL-1βのエピトープである、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有し得る。IL-1β結合抗体および断片はまた、ヘテロ抗体であってもよい。ヘテロ抗体とは、互いに連結された、それぞれ異なる特異性を有する2つまたはそれ以上の抗体または抗体結合断片(Fab)である。] [0071] モノクローナル抗体の作製を回避して、抗体分子の抗原結合領域の組換えDNA型を作製する技法が、本IL-1(例えばIL-1β)結合抗体および断片に関して意図される。DNAを細菌発現系にクローニングする。本発明の実施に適したこのような技法の一例では、発現されたFabタンパク質を細胞膜周辺腔(細菌細胞膜と細胞壁の間)に移行させるかまたは分泌させるリーダー配列を有するバクテリオファージλベクター系を用いる。IL-1βと結合するものに関して、多数の機能的Fab断片を迅速に作製し、スクリーニングすることができる。このようなIL-1β結合剤(IL-1βポリペプチドに対する特異性を有するFab断片)は、本明細書のIL-1β結合抗体および断片の範囲内に明確に包含される。] [0072] 本IL-1(例えばIL-1β)結合抗体および断片は、ヒト化抗体またはヒト型に設計された抗体であってよい。本明細書で使用するヒト化抗体またはその抗原結合断片とは、非ヒト抗体に由来する抗原結合部位の部分、ならびにヒト抗体のフレームワークおよび/または定常領域の部分を含む組換えポリペプチドである。ヒト型に設計された抗体または抗体断片とは、ヒトにおける改変抗体の検出可能な免疫原性を減少させるまたは除去するために、特定の位置のアミノ酸を改変する(例えば、欠失、挿入、または置換する)ことによって操作された非ヒト(例えば、マウス)抗体である。] [0073] ヒト化抗体には、キメラ抗体およびCDR移植抗体が含まれる。キメラ抗体とは、ヒト定常領域に連結された非ヒト抗体可変領域を含む抗体である。したがってキメラ抗体では、可変領域は主に非ヒトであり、定常領域はヒトである。キメラ抗体およびそれらを作製する方法は、Morrison, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 6841-6855 (1984)、Boulianne, et al., Nature, 312: 643-646 (1984)、および国際公開公報 WO 86/01533に記載されている。キメラ抗体はマウスモノクローナル抗体よりも免疫原性が低いと考えられるが、キメラ抗体の投与は、抗体の非ヒト部分に対するヒト抗マウス抗体応答(HAMA)と関連している。キメラ抗体はまた、適切な抗原結合特異性を有するマウス抗体分子由来の遺伝子と、ヒト補体を活性化するおよびADCCを媒介する能力などの適切な生物活性を有するヒト抗体分子由来の遺伝子をつなぎ合わせることによって作製することもできる。Morrison et al. (1984), Proc. Natl. Acad. Sci., 81: 6851;Neuberger et al. (1984), Nature, 312: 604。一例として、Fc領域の、異なるアイソタイプのFc領域との置換が挙げられる。] [0074] CDR移植抗体とは、ヒト「レシピエント」抗体のフレームワーク領域に連結された、非ヒト「ドナー」抗体由来のCDRを含む抗体である。一般に、CDR移植抗体は、ヒト抗体に由来する定常領域配列および可変領域(フレームワーク)配列の両方を含むため、キメラ抗体よりも多くのヒト抗体配列を含む。したがって、例えば、本発明のCDR移植ヒト化抗体は、ヒト抗体のフレームワーク領域(例えば、ヒト抗体のFR-1、FR-2、またはFR-3)に由来する連続したアミノ酸配列(例えば、約5個もしくはそれ以上、10個もしくはそれ以上、またはさらには15個もしくはそれ以上の連続したアミノ酸残基)を含んでよく、任意には、ヒト抗体の全フレームワーク領域の大部分またはすべてを含み得る。CDR移植抗体およびそれらを作製する方法は、Jones et al., Nature, 321: 522-525 (1986)、Riechmann et al., Nature, 332: 323-327 (1988)、およびVerhoeyen et al., Science, 239: 1534-1536 (1988)に記載されている。ヒト化抗体を作製するために使用できる方法はまた、米国特許第4,816,567号、第5,721,367号、第5,837,243号、および第6,180,377号に記載されている。CDR移植抗体は、非ヒト抗体部分に対する免疫応答を誘導する可能性がキメラ抗体よりも低いと考えられる。しかし、おそらくはこれらのフレームワーク配列がドナー抗体の抗原結合部分の折りたたみに影響するために、ドナー抗体の結合親和性および/または特異性にはドナー抗体のフレームワーク配列が必要であることが報告されている。したがって、ドナーの非ヒトCDR配列を未改変のヒトフレームワーク配列に移植すると、得られたCDR移植抗体は、場合によって元の非ヒトドナー抗体と比較して結合親和性の減少を示し得る。例えば、Riechmann et al., Nature, 332: 323-327 (1988)、およびVerhoeyen et al., Science, 239: 1534-1536 (1988)を参照されたい。] [0075] ヒト型に設計された抗体には、例えば「張り合わせ(veneered)」抗体およびHUMANENGINEERING(商標)技術(例えば、U.S. Patent 5,766,886および5,869,619を参照されたい)を用いて調製された抗体が含まれる。HUMAN ENGINEERING(商標)技術は市販されており、これは、ヒトにおける免疫原性が低減されるが、それでもなお元の非ヒト抗体の所望の結合特性を保持する改変抗体を生じるように、抗体のアミノ酸配列に対して特定の変化をもたらすことによって、マウスもしくはキメラ抗体または抗体断片などの非ヒト抗体または抗体断片を改変する段階を含む。一般に、この技法は、非ヒト(例えば、マウス)抗体のアミノ酸残基を「低リスク」、「中程度リスク」、または「高リスク」残基に分類する段階を含む。分類は、置換が、得られた抗体の折りたたみおよび/または抗原結合特性に影響するリスクに対して、特定の置換を作製することの予測される利点(例えば、ヒトにおける免疫原性に関して)を評価する全体的なリスク/恩恵算出を用いて行う。したがって、低リスク位置とは、抗原結合特性に有意に影響することなく免疫原性が低減されることが予測されるために、置換が有利であると予測される位置である。中程度リスク位置とは、置換によって免疫原性が低減されると予測されるが、タンパク質折りたたみおよび/または抗原結合に影響する可能性がより高い位置である。高リスク位置は、適切な折りたたみまたは抗原結合に関与する可能性が最も高い残基を含む。一般に、非ヒト抗体における低リスク位置をヒト残基で置換し、高リスク位置はめったに置換することなく、中程度リスク位置におけるヒト化置換は、無差別ではないにしても行う場合もある。非ヒト抗体可変領域配列内のプロリンを有する位置は通常、少なくとも中程度リスク位置として分類される。] [0076] 非ヒト(例えば、マウス)抗体配列の所与の低リスクまたは中程度リスク位置において置換する特定のヒトアミノ酸残基は、非ヒト抗体の可変領域に由来するアミノ酸配列を、特定のまたは共通のヒト抗体配列の対応する領域と整列させることによって選択することができる。非ヒト配列における低リスクまたは中程度リスク位置におけるアミノ酸残基は、整列化に従ってヒト抗体配列中の対応する残基と置換することができる。ヒト型に設計されたタンパク質を作製する技法は、Studnicka et al., Protein Engineering, 7: 805-814 (1994)、米国特許第5,766,886号、第5,770,196号、第5,821,123号、および第5,869,619号、ならびに国際公開公報 WO 93/11794にさらに詳述されている。] [0077] 「張り合わせ(ベニア;veneered)」抗体とは、免疫原性をさらに減少させるまたは機能を増強するために、特定の溶媒露出アミノ酸残基を置換するよう操作された非ヒトまたはヒト化(例えば、キメラまたはCDR移植抗体)抗体である。キメラ抗体の表面残基は正確な抗体折りたたみに影響する可能性が低く、免疫応答を誘発する可能性が高いと推定されるため、キメラ抗体の張り合わせは、例えば、キメラ抗体の非ヒトフレームワーク領域における溶媒露出残基を同定する段階、およびそれらのうちの少なくとも1つをヒトフレームワーク領域に由来する対応する表面残基で置換する段階を含み得る。張り合わせは、上記のHUMANENGINEERING(商標)技術の使用を含む、任意の適切な操作技法によって達成することができる。] [0078] 異なるアプローチでは、CDR移植抗体を「脱ヒト化」することによって、結合親和性の回復を達成することができる。脱ヒト化は、ドナー抗体のフレームワーク領域に由来する残基をCDR移植抗体に復帰させる段階を含み、それによって正確な折りたたみが復元され得る。同様の「脱ヒト化」は、(i) 「レシピエント」抗体中に「ドナー」フレームワーク領域の一部を含めるか、または(ii) レシピエント抗体に「ドナー」抗体フレームワーク領域の一部を移植する(移植するドナーCDRと共に)ことによって達成することができる。] [0079] 抗体、ヒト化抗体、ヒト型に設計された、およびそれらを調製する方法のさらなる考察に関しては、Kontermann and Dubel, eds., Antibody Engineering, Springer, New York, NY, 2001を参照されたい。] [0080] 例示的なヒト化抗体またはヒト型に設計された抗体には、IgG、IgM、IgE、IgA、およびIgD抗体が含まれる。本抗体は、任意のクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgDなど)またはアイソタイプのものであってよく、カッパまたはラムダ軽鎖を含み得る。例えば、ヒト抗体は、アイソタイプ、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のうちの少なくとも1つのような、IgG重鎖または既定の断片を含み得る、さらなる例として、本抗体または断片はIgG1重鎖およびIgG1軽鎖を含み得る。] [0081] 本抗体および断片は、IL-1βポリペプチドと結合し、かつヒト生殖系列免疫グロブリン核酸配列の天然体細胞変種である核酸配列によってコードされる抗体のようなヒト抗体、ならびにその断片、合成変種、誘導体、および融合物であってよい。このような抗体は、哺乳動物染色体において天然免疫グロブリンレパートリーがヒトV-遺伝子で置換されているトランスジェニック哺乳動物(トランスジェニックマウスなど)を使用するなど、当技術分野において公知である任意の方法によって産生され得る。このような哺乳動物は、正常な様式でヒト生殖系列抗体遺伝子のVDJ組換えおよび体細胞超変異を起こすと考えられ、よって完全なヒト配列を有する高親和性抗体が産生される。] [0082] 標的タンパク質に対するヒト抗体は、内因性免疫グロブリン産生を有さず、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように操作されたトランスジェニック動物を用いて産生させることもできる。例えば、WO 98/24893はヒトIg遺伝子座を有するトランスジェニック動物を開示しており、この動物は内因性の重鎖および軽鎖遺伝子座の不活化のために機能的な内因性免疫グロブリンを産生しない。WO 91/00906もまた、免疫原に対する免疫応答を開始することができるトランスジェニック非霊長類哺乳動物宿主を開示しており、この場合、抗体は霊長類定常領域および/または可変領域を有し、内因性免疫グロブリンをコードする遺伝子座は置換されるかまたは不活化されている。WO 96/30498および米国特許第6,091,001号は、定常領域または可変領域のすべてまたは一部を置換して改変抗体分子を形成するためなど、哺乳動物における免疫グロブリン遺伝子座を改変するためのCre/Lox系の使用を開示している。WO 94/02602号は、不活化内因性Ig遺伝子座および機能的ヒトIg遺伝子座を有する非ヒト哺乳動物宿主を開示している。米国特許第5,939,598号は、内因性重鎖を欠き、1つまたは複数の異種定常領域を含む外因性免疫グロブリン遺伝子座を発現するトランスジェニックマウスを作製する方法を開示している。米国特許第6,114,598号、同第6,657,103号、および同第6,833,268号も参照されたい。] [0083] 上記のトランスジェニック動物を使用して、選択された抗原性分子に対して免疫応答を生じさせることができ、抗体産生細胞を動物から取り出して、ヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを作製するために使用することができる。免疫化プロトコール、アジュバント等は当技術分野で公知であり、例えばWO 96/33735に記載されているようにトランスジェニックマウスの免疫化において使用される。この公開は、IL-6、IL-8、TNFa、ヒトCD4、Lセレクチン、gp39、および破傷風毒素を含む様々な抗原性分子に対するモノクローナル抗体を開示している。モノクローナル抗体は、対応するタンパク質の生物活性または生理的効果を阻害または中和する能力について試験することができる。WO 96/33735は、IL-8で免疫したトランスジェニックマウスの免疫細胞に由来するIL-8に対するモノクローナル抗体が、好中球のIL-8誘導性機能を阻止したことを開示している。トランスジェニック動物を免疫するために使用した抗原に対する特異性を有するヒトモノクローナル抗体は、WO 96/34096および米国特許出願第20030194404号;ならびに米国特許出願第20030031667号にも開示されている。] [0084] モノクローナル抗体を作製するために有用なさらなるトランスジェニック動物には、米国特許第5,770,429号およびFishwild, et al. (Nat. Biotechnol. 14:845-851, 1996)に記載されている、ヒト抗体の重鎖および軽鎖をコードする非再編成ヒト抗体遺伝子に由来する遺伝子配列を含むMedarex HuMAb-MOUSE(登録商標)が含まれる。HuMAb-MOUSE(登録商標)の免疫化により、標的タンパク質に対する完全ヒトモノクローナル抗体の産生が可能になる。] [0085] また、Ishida et al. (Cloning Stem Cells. 4:91-102, 2002)は、ヒトDNAのメガ塩基サイズのセグメントを含み、ヒト免疫グロブリン(hIg)遺伝子座全体を組み入れたTransChromo Mouse(TCMOUSE(商標))を記載している。TCMOUSE(商標)は、IgGのすべてのサブクラス(IgG1〜G4)を含む、hIgの十分に多様なレパートリーを有する。種々のヒト抗原でTCMOUSE(商標)を免疫すると、ヒト抗体を含む抗体応答が生じる。] [0086] Jakobovits et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:2551 (1993);Jakobovits et al., Nature, 362:255-258 (1993);Bruggermann et al., Year in Immunol., 7:33 (1993);および米国特許第5,591,669号、米国特許第5,589,369号、米国特許第5,545,807号;および米国特許出願公開第20020199213号も参照されたい。米国特許出願公開第20030092125号は、所望のエピトープに対する動物の免疫応答にバイアスをかける方法を記載している。ヒト抗体はまた、インビトロ活性化B細胞により作製してもよい(米国特許第5,567,610号および同第5,229,275号を参照されたい)。] [0087] ヒト抗体はまた、抗体ディスプレイライブラリーのインビトロスクリーニングにより作製することもできる。Hoogenboom et al. (1991), J. Mol. Biol. 227: 381;およびMarks et al. (1991), J. Mol. Biol. 222: 581を参照されたい。種々の抗体含有ファージディスプレイライブラリーが記載されており、容易に調製することができる。ライブラリーは、適切な標的に対してスクリーニングすることができる、ヒトFab、Fv、およびscFv断片などの多様なヒト抗体配列を含み得る。ファージディスプレイライブラリーは、IL-1βの選択的結合剤を同定するためにスクリーニングすることができる抗体以外のペプチドまたはタンパク質を含んでもよい。] [0088] 組換えヒト抗体遺伝子のレパートリーを作製する技術の開発、およびコードされる抗体断片の糸状バクテリオファージの表面上での提示により、ヒト抗体を直接作製するための手段が提供された。ファージ技術によって作製される抗体は、細菌において抗原結合断片‐通常はFvまたはFab断片‐として産生され、したがってエフェクター機能を欠いている。エフェクター機能は、2つの戦略のうちの1つによって導入することができる:哺乳動物細胞における発現のために、断片を完全抗体になるよう操作するか、またはエフェクター機能を誘発できる第2の結合部位を用いて二重特異性抗体断片に操作することができる。] [0089] 本発明は、ヒト抗体のライブラリーをファージ上で合成する段階、標的タンパク質またはその部分を用いてライブラリーをスクリーニングする段階、標的に結合するファージを単離する段階、およびファージから抗体を獲得する段階を含む、標的特異的抗体またはその抗原結合部分を作製する方法を意図する。一例として、ファージディスプレイ技法で使用するための抗体ライブラリーを調製する1つの方法は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒト動物を標的抗原またはその抗原性部分で免疫して免疫応答を生じさせる段階、免疫した動物から抗体産生細胞を採取する段階、採取した細胞からRNAを単離する段階、RNAを逆転写してcDNAを作製する段階、プライマーを用いてcDNAを増幅する段階、および抗体がファージ上で発現されるようにcDNAをファージディスプレイベクターに挿入する段階を含む。本発明の組換え標的特異的抗体は、このようにして得ることができる。] [0090] ファージディスプレイ過程は、糸状バクテリオファージの表面上に抗体レパートリーを提示し、続いて選択された抗原に対するその結合によってファージを選択することにより、免疫選択を模倣する。1つのそのような技法はWO 99/10494に記載されており、これは、そのようなアプローチを使用した、MPLおよびmsk受容体に対する高親和性かつ機能的アゴニスト抗体の単離を記載している。本発明の抗体は、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリー、好ましくは、ヒトリンパ球由来のmRNAから調製されたヒトVLおよびVHのcDNAを用いて調製したscFvファージディスプレイライブラリーをスクリーニングすることにより単離することができる。このようなライブラリーを調製およびスクリーニングするための方法論は、当技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,969,108号を参照されたい。ファージディスプレイライブラリーを作製するためのキットが市販されている(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27-9400-01;およびStratagene SurfZAP(商標)ファージディスプレイキット、カタログ番号240612)。抗体ディスプレイライブラリーを作製およびスクリーニングする際に使用することができる他の方法および試薬も存在する(例えば、Ladner et al. 米国特許第5,223,409号;Kang et al. WO 92/18619;Dower et al. WO 91/17271;Winter et al. WO 92/20791;Markland et al. WO 92/15679;Breitling et al. WO 93/01288;McCafferty et al. WO 92/01047;Garrard et al. WO 92/09690;Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370-1372;Hay et al. (1992) Hum. Antibod. Hybridomas 3:81-85;Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281;McCafferty et al., Nature (1990) 348:552-554;Griffiths et al. (1993)EMBO J 12:725-734;Hawkins et al. (1992) J. Mol. Biol. 226:889-896;Clackson et al. (1991) Nature 352:624-628;Gram et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:3576-3580;Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:1373-1377;Hoogenboom et al.(1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137;およびBarbas et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7978-7982を参照されたい)。] [0091] 1つの態様では、所望の特徴を有する標的抗原に特異的なヒト抗体を単離するために、ヒトVHおよびVLライブラリーをスクリーニングして、所望の特異性を有する抗体断片を選択する。この方法で使用する抗体ライブラリーは、好ましくは、本明細書および当技術分野で記載される通りに調製およびスクリーニングされるscFvライブラリーである(McCafferty et al.、WO 92/01047、McCafferty et al., (Nature 348:552-554, 1990);およびGriffiths et al., (EMBO J 12:725-734, 1993)。scFv抗体ライブラリーは、好ましくは標的タンパク質を抗原として用いてスクリーニングする。] [0092] または、抗体のFd断片(VH-CH1)および軽鎖(VL-CL)をPCRにより別々にクローニングし、コンビナトリアルファージディスプレイライブラリーにおいてランダムに組換え、その後特定の抗原に対する結合について選択することができる。Fab断片をファージ表面上で発現させ、すなわちそれらをコードする遺伝子に物理的に関連づける。したがって、抗原結合によりFabを選択すると、Fabコード配列も同時に選択され、続いてこれを増幅することができる。パニングと称される手順である抗原結合および再増幅を数ラウンド行うことにより、抗原に特異的なFabが濃縮され、最終的に単離される。] [0093] 1994年に、「誘導選択(guided selection)」と称される、抗体をヒト化するためのアプローチが記載された。誘導選択は、マウスモノクローナル抗体をヒト化するためにファージディスプレイ技法の威力を利用する(Jespers, L. S., et al. Bio/Technology 12, 899-903 (1994)を参照されたい)。このために、マウスモノクローナル抗体のFd断片をヒト軽鎖ライブラリーと組み合わせて提示することができ、次いで生じたハイブリッドFabライブラリーを抗原で選択することができる。こうして、マウスFd断片は、選択を誘導するための鋳型を提供する。その後、選択されたヒト軽鎖をヒトFd断片ライブラリーと組み合わせる。生じたライブラリーを選択することにより、完全なヒトFabが得られる。] [0094] ファージディスプレイライブラリーからヒト抗体を導出するための様々な手順が記載されている(例えば、Hoogenboom et al., J. Mol. Biol., 227:381 (1991);Marks et al., J. Mol. Biol, 222:581-597 (1991);米国特許第5,565,332号および同第5,573,905号;Clackson, T., and Wells, J. A., TIBTECH 12, 173-184 (1994)を参照されたい)。特に、ファージディスプレイライブラリーに由来する抗体のインビトロでの選択および進化は、強力な手段となっている(Burton, D. R., and Barbas III, C. F., Adv. Immunol. 57, 191-280 (1994);Winter, G., et al., Annu. Rev. Immunol. 12, 433-455 (1994);米国特許出願公開第20020004215号およびWO 92/01047;米国特許出願公開第20030190317号;ならびに米国特許第6,054,287号および同第5,877,293号を参照されたい)。] [0095] Watkins, 「Screening of Phage-Expressed Antibody Libraries by Capture Lift,」 Methodsin Molecular Biology, Antibody Phage Display: Methods and Protocols 178: 187-193 (2002)、および2003年3月6日に公開された米国特許出願公開第20030044772号は、固体支持体への候補結合分子の固定化を含む方法である捕獲リフト(capture lift)により、ファージ発現抗体ライブラリーまたは他の結合分子をスクリーニングする方法を記載している。] [0096] Fv断片は、ファージタンパク質融合物(例えば、M13遺伝子IIIとの)として発現される1本鎖と、可溶性断片として発現される相補鎖の会合により、ファージの表面上に提示される。ファージは、クラスIファージ:fd、M13、f1、If1、1ke、ZJ/Z、Ffのうちの1つ、ならびにクラスIIファージXf、Pf1、およびPf3のうちの1つなどの糸状ファージであってよいことが意図される。ファージはM13であってもよく、又はfd若しくはその派生体であってもよい。] [0097] 最初のヒトVLおよびVHセグメントが選択されたならば、「混合および適合(mix and match)」実験を行い、最初に選択されたVLおよびVHセグメントの様々な対を標的結合についてスクリーニングして、好ましいVL/VH対の組み合わせを選択する。加えて、抗体の質をさらに改善するために、天然の免疫応答において抗体の親和性成熟を担うインビボ体細胞変異過程に類似した過程で、好ましいVL/VH対のVLおよびVHセグメントを、好ましくはVHおよび/またはVLのCDR1、CDR2、またはCDR3領域のいずれかの内部でランダムに変異させることができる。このインビトロ親和性成熟は、それぞれVH CDR1、CDR2、およびCDR3またはVL CDR1、CDR2、およびCDR3に相補的なPCRプライマーを用いて、VLおよびVH領域を増幅することによって達成することができる。これらのプライマーには、結果として生じるPCR産物が、VHおよび/またはVL CDR3領域中にランダムな変異が導入されたVLおよびVHセグメントをコードするように、特定の位置に4種のヌクレオチド塩基のランダムな混合物が「添加」してある。これらのランダムに変異させたVLおよびVHセグメントを、標的抗原への結合について再度スクリーニングすることができる。] [0098] 組換え免疫グロブリンディスプレイライブラリーから標的特異的抗体をスクリーニングおよび単離した後、選択された抗体をコードしている核酸をディスプレイパッケージから(例えば、ファージゲノムから)回収し、標準的な組換えDNA技法により他の発現ベクターにサブクローニングすることができる。必要に応じて、後述するように核酸をさらに操作して、本発明の他の抗体形態を創出することもできる。コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングにより単離した組換えヒト抗体を発現させるには、本明細書に記載するように、抗体をコードするDNAを組換え発現ベクターにクローニングし、哺乳動物宿主細胞に導入する。] [0099] 細菌または宿主細胞の突然変異誘発株でファージディスプレイ法を実施できることが意図される。突然変異誘発株は、その内部で複製されるDNAをその親DNAに関して変異させる遺伝子欠陥を有する宿主細胞である。例示的な突然変異誘発株は、NR9046mutD5およびNR9046 mut T1である。] [0100] ヘルパーファージを用いてファージディスプレイ法を実施できることも意図される。これは、欠陥ファージゲノムを含む細胞に感染させるために用いられ、欠陥を補足するように機能するファージである。欠陥ファージゲノムは、何らかの機能をコードする遺伝子配が除去されているファージミドまたはファージであってよい。ヘルパーファージの例は、M13K07、M13K07遺伝子III no. 3;およびキャプシドタンパク質に融合された結合分子を提示またはコードするファージである。] [0101] 抗体はまた、WO 92/01047に開示されているような階層的二重組み合わせアプローチを使用するファージディスプレイスクリーニング法により作製される。この方法では、H鎖またはL鎖クローンのいずれかを含む個々のコロニーを使用して、他方の鎖(LまたはH)をコードするクローンの完全なライブラリーを感染させ、結果として生じた2鎖の特異的結合メンバーを、その文献に記載されているようなファージディスプレイ技法に従って選択する。この技法は、Marks et al, (Bio/Technology, 10:779-783, 1992)にも記載されている。] [0102] 抗原特異的抗体を同定するために、酵母および微生物細胞の表面上にペプチドを提示させる方法も用いられている。例えば、米国特許第6,699,658号を参照されたい。抗体ライブラリーを凝集素などの酵母タンパク質に結合させて、免疫系におけるB細胞による抗体の細胞表面提示を効果的に模倣することができる。] [0103] ファージディスプレイ法に加えて、抗体は、リボソームmRNAディスプレイ法および微生物細胞ディスプレイ法を用いて単離することもできる。リボソームディスプレイを使用するポリペプチドの選択は、Hanes et al., (Proc. Natl Acad Sci USA, 94:4937-4942, 1997)、ならびにKawasakiに発行された米国特許第5,643,768号および同第5,658,754号に記載されている。リボソームディスプレイは、抗体の迅速大規模突然変異解析にも有用である。選択的突然変異誘発アプローチもまた、リボソームディスプレイ技法を用いて選択することができる活性が向上した抗体を作製する方法を提供する。] [0104] IL-1(例えばIL-1β)結合抗体および断片は、IL-1βと結合しないが、代わりに循環半減期、直接的細胞毒性効果、検出可能な標識、またはレシピエントの内因性補体カスケードもしくは内因性細胞傷害性の活性化などのその他の機能に関与する1つまたは複数の部分を含み得る。抗体または断片は、抗体の定常領域のすべてまたは一部を含んでよく、IgA(例えば、IgA1またはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)、またはIgMを含む任意のアイソタイプのものであってよい。定常領域を含むことに加えてまたはその代わりに、本発明の抗原結合化合物は、エピトープタグ、サルベージ受容体エピトープ、診断もしくは精製目的のための標識部分、または放射性核種もしくは毒素などの細胞毒性部分を含み得る。] [0105] 本抗体および断片の定常領域(存在する場合)は、γ1、γ2、γ3、γ4、μ、β2、またはδ、またはε型のもであってよく、好ましくはγ型、より好ましくはy型のものであってよく、ヒト軽鎖の定常部分はκまたはλ型(λ1、λ2、およびλ3サブタイプを含む)のものであってよいが、好ましくはκ型のものである。] [0106] 変種には、野生型Fc領域と比較して少なくとも1つのアミノ酸改変を含む改変されたFc領域を含む抗体または断片もまた含まれる。変種Fc領域は、野生型Fc領域を含む匹敵する分子と比較して、より高いまたはより低い親和性でFc受容体に結合するように設計することができる。] [0107] 例えば、本IL-1β結合抗体および断片は、改変Fc領域を含み得る。Fc領域とは、IgGのパパイン消化によって生成される、IgGC末端ドメインと相同的な天然または合成ポリペプチドを指す。IgG Fcは、約50 kDの分子量を有する。本抗体および断片では、全Fc領域を用いることもできるし、または半減期延長部分のみを用いることもできる。さらに、天然の活性がすべての場合において必要であるとも望ましいとも限らないため、アミノ酸配列中の多くの改変も許容される。] [0108] Fc領域は、必要に応じて、補体を結合する能力およびFc受容体と高親和性で結合する能力を阻害するために、変異させることができる。マウスIgGFcでは、Glu 318、Lys 320、およびLys 322をAla残基と置換すると、このタンパク質はADCCを引き起こすことができなくなる。Leu 235をGluに置換すると、高親和性でFc受容体に結合するこのタンパク質の能力は阻害される。ヒトIgGに関する種々の変異もまた知られている(例えば、Morrison et al., 1994, The Immunologist 2: 119 124、およびBrekke et al., 1994, The Immunologist 2: 125を参照されたい)。] [0109] いくつかの態様においては、例えば血清半減期またはインビトロアッセイによって測定される半減期といった、生物環境における抗体または断片の半減期が延長されるように天然Fc領域が改変された改変Fc領域を有する本抗体または断片が提供される。IgGのFc領域の元の形態を改変する方法もまた、米国特許第6,998,253号に記載されている。] [0110] 特定の態様では、例えば、半減期を延長するためにPEGまたは多糖ポリマーを含むその他の水溶性ポリマーなどの分子を抗体断片に付加するなど、血清半減期を延長するために抗体または断片を改変することが望ましい場合がある。これはまた、例えば抗体断片にサルベージ受容体結合エピトープを組み入れることによって(例えば、抗体断片中の適切な領域の変異により、またはペプチドタグにエピトープを組み入れ、次いでこれを抗体断片のいずれかの末端または中央に融合させることにより(例えば、DNAまたはペプチド合成により))達成することができる(WO96/32478を参照されたい)。サルベージ受容体結合エピトープとは、IgG分子のインビボ血清半減期の延長に関与する、IgG分子(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープを指す。] [0111] サルベージ受容体結合エピトープは、Fcドメインの1つまたは2つのループに由来する任意の1つまたは複数のアミノ酸残基が、抗体断片の類似の位置に移行される領域を含み得る。さらにより好ましくは、Fcドメインの1つまたは2つのループに由来する3つまたはそれ以上の残基を移行させる。さらにより好ましくは、Fc領域(例えばIgGの)のCH2ドメインからエピトープを得て、抗体のCH1、CH3、もしくはVH領域、または2つ以上のそのような領域に移行させる。あるいは、Fc領域のCH2ドメインからエピトープを得て、抗体断片のCL領域もしくはVL領域またはその両方に移行させる。Fc変種およびそれらのサルベージ受容体との相互作用について記載しているWO 97/34631およびWO 96/32478もまた参照されたい。] [0112] Fc受容体結合部位内の残基の変異は、ADCCもしくはCDC活性の変化または半減期の変化など、エフェクター機能の変化をもたらし得る。可能な変異には、アラニンとの置換、保存的置換、非保存的置換、または異なるIgGサブクラスに由来する同じ位置の対応するアミノ酸残基との置換(例えば、IgG1残基を、その位置の対応するIgG2残基で置換する)を含む、1つまたは複数の残基の挿入、欠失、または置換が含まれる。例えば、IgG4のアミノ酸241位におけるセリンをプロリン(IgG1およびIgG2のその位置に見出される)に変異させることによって、均一な抗体が産生され、元のキメラIgG4と比較して血清半減期が延長され、組織分布が改善されることが報告されている(Angal et al., Mol Immunol. 30:105-8, 1993)。] [0113] 抗体断片とは、無傷の抗体の抗原結合領域または可変領域などの、無傷の全長抗体の一部である。抗体断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2、およびFv断片;ダイアボディ(diabody);直鎖状抗体:一本鎖抗体分子(例えば、scFv);二重特異性、三重特異性、および多特異性抗体などの多特異性抗体断片(例えば、ダイアボディ、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody));ミニボディ(minibody);キレート化組換え抗体;トリボディ(tribody)またはバイボディ(bibody);イントラボディ(intrabody);ナノボディ(nanobody);小モジュール免疫薬剤(SMIP)、アドネクチン、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質;ラクダ化抗体;VHH含有抗体;および抗体断片から形成される任意の他のポリペプチドが含まれる。] [0114] 本発明は、上記の重鎖または軽鎖配列のいずれかを含み、かつIL-1βと結合するIL-1β結合抗体断片を包含する。本明細書で使用する断片という用語は、抗体の任意の3個またはそれ以上の連続したアミノ酸(例えば、4個もしくはそれ以上、5個もしくはそれ以上、6個もしくはそれ以上、8個もしくはそれ以上、またはさらには10個もしくはそれ以上の連続したアミノ酸)を指し、Fab、Fab'、F(ab')2、およびF(v)断片、または個々の軽鎖もしくは重鎖可変領域またはその一部を包含する。IL-1β結合断片には、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、およびscFvが含まれる。これらの断片は無傷の抗体のFc断片を欠いており、無傷の抗体よりも迅速に循環から除去され、非特異的組織結合が低い可能性がある。Wahl et al. (1983), J. Nucl. Med., 24: 316-25を参照されたい。これらの断片は、例えば、パパイン(Fab断片を生成するため)またはペプシン(F(ab')2断片を生成するため)などの酵素でタンパク質切断するなど、周知の方法を用いて無傷の抗体から生成することができる。] [0115] I型IL-1受容体(IL-1R1)に対するIL-1βの結合を測定する際に用いるインビトロアッセイ法および細胞に基づくアッセイ法は、IL-1βまたはIL-1RIに結合する分子(抗体、アンタゴニスト、またはその他のインヒビターなど)の存在下で測定するアッセイ法を含め、当技術分野において十分に記載されている。(例えば、Evans et al., (1995), J. Biol. Chem. 270:11477-11483;Vigers et al., (2000), J. Biol. Chem. 275:36927-36933;Yanofsky et al., (1996), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7381-7386;Fredericks et al., (2004), Protein Eng. Des. Sel. 17:95-106;Slack et al., (1993), J. Biol. Chem. 268:2513-2524;Smith et al., (2003), Immunity 18:87-96;Vigers et al., (1997), Nature 386:190-194;Ruggiero et al., (1997), J. Immunol. 158:3881-3887;Guo et al., (1995), J. Biol. Chem. 270:27562-27568;Svenson et al., (1995), Eur. J. Immunol. 25:2842-2850;Arend et al., (1994), J. Immunol. 153:4766-4774を参照されたい)。そのようなアッセイのための、ヒトI型IL-1受容体を含む組換えI型IL-1受容体は、様々な市販供給元(例えば、R&D Systems、SIGMAを参照されたい)から容易に入手することができる。I型IL-1受容体はまた、標準的な分子生物学および当技術分野で公知のトランスフェクション技法を用いて、適切な宿主細胞に導入された発現構築物またはベクターから発現させることもできる。次いで、発現されたI型IL-1受容体を、結合アッセイにおいて使用するために単離および精製することができ、またはあるいは細胞結合型として直接使用することもできる。] [0116] 例えば、I型IL-1受容体に対するIL-1βの結合は、IL-1β結合抗体を固定化し、IL-1βを固体化抗体と接触させて、IL-1βが抗体に結合したかどうかを決定し、可溶型IL-1RIを結合しているIL-1β/抗体複合体と接触させて、可溶性IL-1RIが複合体に結合したかどうかを決定することによって判定することができる。この手順はまた、可溶性IL-1RIを、IL-1βと接触させる前に固定化抗体と接触させて、可溶性IL-1RIが固定化抗体に結合しないことを確認する段階をさらに含み得る。この手順は、結合相互作用の反応速度解析用のBiacore(登録商標)装置を用いて行うことができる。このような手順を用いて、抗体またはその他の分子が、IL-1βのI型IL-1受容体への結合を許容するかまたは遮断するかを判定することもできる。] [0117] その他のIL-1β/IL-1RI結合アッセイでは、IL-1β抗体またはそのIL-1β結合断片の存在下または非存在下において、IL-1RIに対するIL-1βの結合を比較することによって、I型IL-1受容体に対するIL-1β結合の許容または遮断を判定することができる。遮断は、アッセイ読み取り値において、対応する緩衝液または希釈液を含むがIL-1β抗体またはそのIL-1β結合断片を含まない対照試料と比較した場合の、抗IL-1β抗体またはそのIL-1β結合断片の存在下におけるI型IL-1受容体に対するIL-1β結合の減少表示として同定される。アッセイ読み取り値は、遮断の存在もしくは非存在を示して定性的と見なされてもよいし、または抗体もしくは断片の存在に起因する結合のパーセント減少もしくは減少倍率を示して定量的と見なされてもよい。] [0118] あるいはまたはさらに、IL-1β結合抗体またはIL-1β結合断片がIL-1RIに対するIL-1β結合を実質的に遮断する場合、IL-1RIに対するIL-1β結合は、抗体または断片の非存在下における同濃度のIL-1βとIL-1RIの結合と比較して、少なくとも10倍、あるいは少なくとも約20倍、あるいは少なくとも約50倍、あるいは少なくとも約100倍、あるいは少なくとも約1000倍、あるいは少なくとも約10000倍、またはそれ以上減少する。別の例として、IL-1β結合抗体またはIL-1β結合断片がIL-1RIに対するIL-1β結合を実質的に許容する場合、IL-1RIに対するIL-1β結合は、抗体または断片の非存在下における同濃度のIL-1βとIL-1RIの結合の少なくとも約90%、あるいは少なくとも約95%、あるいは少なくとも約99%、あるいは少なくとも約99.9%、あるいは少なくとも約99.99%、あるいは少なくとも約99.999%、あるいは少なくとも約99.9999%、あるいはその結合と実質的に同一である。] [0119] 本発明は、ある態様において、本明細書に記載された例示的な抗体の1つまたは複数と同じエピトープまたは実質的に同じエピトープと結合する、IL-1β結合性抗体またはIL-1β結合性断片を範囲に含みうる。代替的または追加的に、IL-1β結合性抗体またはIL-1β結合性断片は、米国特許出願第11/472813号またはWO 2007/002261号に記載されたAB7の可変領域配列(以下に示された配列)を有する抗体の結合と競合する。一例として、IL-1β結合性抗体またはIL-1β結合性断片が、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合する場合には、IL-1βに対する、SEQ ID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合は、IL-1β結合性抗体またはIL-1β結合性断片の存在下で結合を測定するならば、少なくとも約2分の1、または少なくとも約5分の1、または少なくとも約10分の1、または少なくとも約20分の1、または少なくとも約50分の1、または少なくとも約100分の1、または少なくとも約1000分の1、または少なくとも約10000分の1またはそれ以上に低下しうる。IL-1β結合性抗体またはIL-1β結合性断片は、SEQ ID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体よりも過剰に、例えば、少なくとも約2倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約20倍、または少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍、または少なくとも約10000倍過剰に存在してよい。代替的または追加的に、本発明は、AB5およびAB7と命名された抗体(米国特許出願第11/472813号、WO 2007/002261号)が結合するエピトープである、アミノ酸配列 中に含まれるエピトープと結合するIL-1β結合性抗体および断片を範囲に含む。本明細書で想定しているように、IL-1β結合性抗体または断片が、例えばAB7と命名された抗体のような例示的な抗体の1つまたは複数と同じエピトープまたは実質的に同じエピトープと結合するか否かは、当技術分野におけるいくつかの公知の方法のいずれかを用いて容易に判定することができる。] [0120] 例えば、IL-1β結合抗体または断片が結合する重要なアミノ酸残基(エピトープ)は、例えばPepSpot(商標)ペプチドアレイ(JPT Peptide Technologies、ドイツ、ベルリン)などのペプチドアレイを用いて決定することができる。PepSpot(商標)ペプチドアレイでは、全IL-1βアミノ酸配列に及び、各ペプチドが前のペプチドと11アミノ酸重複する12アミノ酸ペプチドのスキャンが膜上に直接合成される。次いでペプチドを保有する膜を、エピトープ結合情報を探索する例えば2μg/ml濃度の抗体で、室温で2時間プロービングする。膜結合ペプチドに対する抗体の結合は、二次HRP結合ヤギ抗ヒト(またはしかるべき場合にはマウス)抗体、次いで高感度化学発光(ECL)を用いて検出することができる。抗体結合に関して陽性を表す、成熟IL-1βタンパク質の特定のアミノ酸残基または配列に対応するペプチドスポットが、特定の抗体が結合したエピトープを示す。] [0121] あるいはまたはさらに、抗体競合実験を行うことができ、このようなアッセイ法は当技術分野において周知である。例えば、抗体または断片が、成熟IL-1βタンパク質の残基83〜105に相当するアミノ酸 を含むペプチド配列中に含まれるエピトープに結合するかどうかを判定するため、特異性が未知である抗体を、この配列内に含まれるエピトープと結合することが判明している本発明の例示的な抗体(例えば、AB7)のいずれかと比較することができる。結合競合アッセイは、例えば、結合相互作用の反応速度解析用のBiacore(登録商標)装置を用いて、またはELISAによって行うことができる。そのようなアッセイ法では、エピトープ特異性が未知である抗体を、公知の比較抗体(例えば、AB7)に対する結合を競合する能力について評価する。特定のエピトープに対する結合の競合は、公知の比較抗体(例えば、AB7)のIL-1βエピトープに対する結合の少なくとも約50%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%、または約100%の減少によって決定される。] [0122] 例示的な抗体におけるIL-1β結合領域および/または開示する抗体によって認識されるエピトープの本開示における同定を考慮して、本開示の態様に匹敵する、類似の結合特性および治療または診断有用性を有するさらなる抗体を作製できることが意図される。] [0123] 抗体の抗原結合断片には、一般に抗体の抗原結合部分を維持することによって、抗原に特異的に結合する能力を保持する断片が含まれる。抗体の抗原結合機能が全長抗体の断片によって遂行され得ることが十分に確立されている。抗原結合部分の例には、(i) VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab')2断片;(iii) VHおよびCH1ドメインであるFd断片;(iv) 抗体の単一アームのVLおよびVHドメインであるFv断片、(v) VHドメインであるdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。一本鎖抗体もまた、抗体の抗原結合部分という用語の範囲内に含まれる。本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、一価もしくは多価、または単量体もしくは多量体(例えば四量体)、足場(例えば、タンパク質または炭水化物足場)を含むもしくは含まないCDR由来結合ドメインもまた包含する。] [0124] 本発明のIL-1β結合抗体または断片は、抗体または抗体部分と1つまたは複数の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合または非共有結合によって形成された、より大きな免疫接着分子の一部であってよい。そのような免疫接着分子の例には、四量体scFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov, S. M., et al. (1995) Human Antibodies and Hybridomas 6:93-101)、ならびに二価およびビオチン化scFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチド、およびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov, S. M., et al. (1994) Mol. Immunol. 31:1047-1058)が含まれる。免疫接着分子を含む抗体および断片は、本明細書に記載する標準的な組換えDNA技法を用いて得ることができる。好ましい抗原結合部分は、完全なドメインまたは完全なドメインの対である。] [0125] 本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、VHドメインからなるドメイン抗体(dAb)断片(Ward et al., Nature 341:544-546, 1989)を包含する。本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、ダイアボディを包含する。ここでダイアボディとは、VHおよびVLドメインを単一のポリペプチド鎖上に発現するが、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することにより、そのドメインを別の鎖の相補的ドメインと対形成させて、2つの抗原結合部位を創出する二価抗体である(例えば、EP 404,097;WO 93/11161;Holliger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448, 1993、およびPoljak et al., Structure 2:1121-1123, 1994を参照されたい)。ダイアボディは二重特異性または単一特異性であってよい。] [0126] 本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、IL-1βに結合する一本鎖抗体断片(scFv)を包含する。scFvは、抗体軽鎖可変領域(VL)に機能的に連結された抗体重鎖可変領域(VH)を含み、重鎖可変領域および軽鎖可変領域は一緒にまたは個別に、IL-1βと結合する結合部位を形成する。scFvはアミノ末端にVH領域を含み、カルボキシ末端にVL領域を含み得る。あるいは、scFvはアミノ末端にVL領域を含み、カルボキシ末端にVH領域を含み得る。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは別個の遺伝子によってコードされているものの、組換え法を用いて、それらをVLおよびVH領域が対形成して一価分子を形成する単一のタンパク質鎖とすることのできる合成リンカーにより、それらを結合することができる(一本鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426;およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照されたい)。] [0127] scFvは任意に、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間にポリペプチドリンカーをさらに含み得る。そのようなポリペプチドリンカーは一般に、1〜50アミノ酸、あるいは3〜12アミノ酸、あるいは2アミノ酸を含む。scFvにおける重鎖と軽鎖を連結するためのリンカーペプチドの例は、5アミノ酸配列Gly-Gly-Gly-Gly-Ser(SEQID NO:2)を含む。その他の例は、リンカーを創出するために、この配列の1回または複数回の縦列反復(例えば、Gly-Gly-Gly-Gly-Ser(SEQ ID NO:2)の2〜4回の反復を含むポリペプチド)を含む。] [0128] 本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、重鎖抗体(HCAb)を包含する。通常の抗体のH2L2構造の例外は、ラクダ科動物(ラクダ、ヒトコブラクダ、およびラマ;Hamers-Casterman et al., 1993 Nature 363: 446;Nguyen et al., 1998 J. Mol. Biol. 275: 413)、オオセザメ(wobbegong shark)(Nuttall et al., Mol Immunol. 38:313-26, 2001)、コモリザメ(nurse shark)(Greenberg et al., Nature 374:168-73, 1995;Roux et al., 1998 Proc. Nat. Acad. Sci. USA 95: 11804)、およびスポッテッドラットフィッシュ(spotted ratfish)(Nguyen, et al., 「Heavy-chain antibodies in Camelidae; a case of evolutionary innovation」, 2002 Immunogenetics 54 (1): 39-47)に見出される免疫グロブリンのいくつかのアイソタイプで生じる。これらの機能的抗体は重鎖のみの二量体であることから、これらの抗体は明らかに、重鎖のみを用いて抗原結合領域を形成し得る(「重鎖抗体」または「HCAb」と称される)。したがって、本IL-1β結合抗体および断片のいくつかの態様は、IL-1βに特異的に結合する重鎖抗体であってよい。例えば、IgGのクラスであり軽鎖を欠いている重鎖抗体は、ラクダ、ヒトコブラクダ、およびラマを含むラクダ科属の動物によって産生される(Hamers-Casterman et al., Nature 363:446-448 (1993))。HCAbは、通常のIgG抗体の分子量が約160 kDaである代わりに、約 95 kDaという分子量を有する。その結合ドメインは重鎖可変ドメインのみからなり、多くの場合、通常のVHと区別するためにVHHと称される。Muyldermans et al., J. Mol. Recognit. 12:131-140 (1999)。重鎖抗体の可変ドメインは、場合によってナノボディと称される(Cortez-Retamozo et al., Cancer Research 64:2853-57, 2004)。Conrath et al., (Antimicrob Agents Chemother45: 2807-12, 2001)に記載されているように、免疫化したヒトコブラクダから、または組換え法を用いて、ナノボディライブラリーを作製することができる。] [0129] 第1定常ドメイン(CH1)が存在しないため(スプライス共通シグナルがないために、mRNAプロセシング中にスプライス除去される)、可変ドメイン(VHH)の後にすぐヒンジ領域、CH2およびCH3ドメインが続く(Nguyen et al., Mol. Immunol. 36:515-524 (1999);Woolven et al., Immunogenetics 50:98-101 (1999))。報告によれば、ラクダ科動物VHHは、ヒンジ、CH2、およびCH3ドメインを含みCH1ドメインを欠くIgG2およびIgG3定常領域と組み合わさる(Hamers-Casterman et al.、前記)。例えば、ラマIgG1は、VHがヒンジ、CH1、CH2、およびCH3ドメインを含む定常領域と組み合わさる通常の(H2L2)抗体アイソタイプであるが、ラマIgG2およびIgG3は、CH1ドメインを欠き、かつ軽鎖を含まない重鎖のみのアイソタイプである。] [0130] HCAbは軽鎖を欠いているが、抗原結合レパートリーを有する。HCAbの遺伝子生成機構は、Nguyen et al. Adv. Immunol 79:261-296 (2001)、およびNguyen et al., Immunogenetics 54:39-47 (2002)に概説されている。コモリザメを含むサメも、抗原受容体を含む同様の単一の単量体Vドメインを示す。Irving et al., J. Immunol. Methods248:31-45 (2001);Roux et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:11804 (1998)。] [0131] VHHは、小さな無傷の抗原結合断片(例えば、約15 kDa、118〜136残基である断片)を含む。ラクダ科動物VHHドメインは高親和性で抗原に結合することが認められており(Desmyter et al., J. Biol. Chem. 276:26285-90, 2001)、VHHの親和性は典型的にナノモルの範囲であり、FabおよびscFv断片に匹敵する。VHHは非常に可溶性が高く、scFvおよびFab断片の対応する誘導体よりも安定である。VH断片は可溶型として生成することが比較的難しかったが、フレームワーク残基をよりVHH様に改変することで溶解度および特異的結合が改善され得る。(例えば、Reichman et al., J Immunol Methods1999, 231:25-38を参照されたい)。VHHは、VHHをより親水性にし、通常は折りたたみおよび会合の際に小胞体(ER)内でH鎖に結合し、その後L鎖に置き換えられるBiP(免疫グロブリン重鎖結合タンパク質)との相互作用の持続を妨げるアミノ酸置換を有する。VHHは親水性が高いため、ERからの分泌が改善される。] [0132] 機能的なVHHは、免疫化したラクダ科動物のHCAbのタンパク質切断により、免疫化したラクダ科動物のB細胞からVHH遺伝子を直接クローニングして組換えVHHをもたらすことにより、またはナイーブもしくは合成ライブラリーから得ることができる。所望の抗原特異性を有するVHHはまた、ファージディスプレイ法によって得ることもできる。ファージディスプレイにおいてVHHを用いることは、機能的な抗原結合断片を得るために1つのドメインしかクローニングして発現させる必要がないため、FabまたはscFvと比較して非常に簡単でかつより効率的である。Muyldermans, Biotechnol. 74:277-302 (2001);Ghahroudi et al., FEBSLett. 414:521-526 (1997);およびvan der Linden et al., J. Biotechnol. 80:261-270 (2000)。ラクダ科動物重鎖を有する抗体を作製する方法はまた、米国特許出願公開第20050136049号および第20050037421号に記載されている。] [0133] リボソームディスプレイを用いて、所望の結合活性および親和性を有するscFvおよび/またはVHH分子を同定および単離することもできる。Irving et al., J. Immunol. Methods248:31-45 (2001)。リボソームの提示および選択は、大きなライブラリー(1014)を作製し提示する可能性を有する。] [0134] 他の態様は、溶解度を改善し非特異的結合を防ぐために、ヒトVHHなどの非ラクダ科VHを改変することにより、ラクダ化の過程を通して作製されたVHH様分子を提供する。これは、VHのVL側の残基をVHH様残基で置換して、より溶解度の高いVHH断片を模倣することによって達成される。ラクダ化VH断片、特にヒトのフレームワークに基づくものは、インビボで患者に投与した場合に免疫応答が大幅に低減されると考えられ、したがって治療用途に著しく有利であると考えられる。Davies et al., FEBSLett. 339:285-290 (1994);Davies et al., Protein Eng. 9:531-537 (1996);Tanha et al., J. Biol. Chem. 276:24774-24780 (2001);およびRiechmann et al., Immunol. Methods231:25-38 (1999)。] [0135] Fab断片、scFv、およびVHHを含むIL-1β断片の産生には、多種多様な発現系が利用可能である。例えば、原核生物および真核生物起源の発現系を、抗体断片および抗体融合タンパク質の大量生産に用いることができる。特に有利であるのは、大量の抗体断片を培地に分泌させることができる発現系である。] [0136] 二重特異性Fab-scFv(「バイボディ」)および三重特異性Fab-(scFv)(2)(「トリボディ」)の作製は、Schoonjans et al. (J Immunol 165:7050-57, 2000)、およびWillems et al. (J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 786:161-76, 2003)に記載されている。バイボディまたはトリボディでは、scFv分子がVL-CL(L)鎖およびVH-CH1(Fd)鎖の一方または両方に融合されており、例えばトリボディを作製するには、2つのscFvをFabのC末端に融合し、バイボディの場合には、1つのscFvをFabのC末端に融合する。ペプチドリンカー(ヒンジなし)を介して、またはIgGヒンジを介してCH3に融合されたscFvからなる「ミニボディ」は、Olafsen, et al., Protein Eng Des Sel. 2004 Apr;17(4)315-23に記載されている。] [0137] イントラボディとは、細胞内発現を示し、細胞内タンパク質機能を操作できる一本鎖抗体である(Biocca, et al.,EMBO J. 9:101-108, 1990;Colby et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 101:17616-21, 2004)。細胞内領域に抗体構築物を保持する細胞シグナル配列を含むイントラボディは、Mhashilkar et al (EMBO J 14:1542-51, 1995)、およびWheeler et al. (FASEB J. 17:1733-5. 2003)に記載されているように作製することができる。トランスボディとは、タンパク質導入ドメイン(PTD)を一本鎖可変断片(scFv)抗体と融合させた細胞透過性抗体である Heng et al., (Med Hypotheses. 64:1105-8, 2005)。] [0138] 本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、標的タンパク質に特異的なSMIPまたは結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である抗体を包含する。これらの構築物は、抗体エフェクター機能を実行するのに必要な免疫グロブリンドメインに融合された抗原結合ドメインを含む一本鎖ポリペプチドである。例えば、WO03/041600、米国特許出願公開第20030133939号、および米国特許出願公開第20030118592号を参照されたい。] [0139] 本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、イムノアドヘシンを包含する。1つまたは複数のCDRを共有結合または非共有結合により分子内に組み入れることによって、その分子をイムノアドヘシンにすることができる。イムノアドヘシンは、より大きなポリペプチド鎖の一部としてCDRを組み入れてもよく、CDRを別のポリペプチド鎖に共有結合させてもよく、または非共有結合によりCDRを組み入れてもよい。本明細書に開示するCDRによって、イムノアドヘシンがIL-1βに特異的に結合できるようになる。] [0140] 本発明のIL-1β結合抗体および断片はまた、有機または分子足場(タンパク質または炭水化物足場など)上に構築された1つまたは複数のIL-1β結合部分を含む抗体模倣物を包含する。一般にタンパク質足場と称される、比較的明確な三次元構造を有するタンパク質を、抗体模倣物を設計するための試薬として用いることができる。これらの足場は典型的に、特定のまたは無作為な配列変化を受け入れる1つまたは複数の領域を含み、そのような配列の無作為化は多くの場合、そこから所望の生成物を選択することができるタンパク質のライブラリーを作製するために行われる。例えば、抗体模倣物は、各ループに挿入された親抗体由来の異なるCDRを含む2つまたはそれ以上の溶媒露出ループを有する足場を含む免疫グロブリン様ドメインを有し、かつ親抗体が結合するリガンドに対して選択的結合活性を示すキメラ非免疫グロブリン結合ポリペプチドを含み得る。非免疫グロブリンタンパク質足場は、新規結合特性を有するタンパク質を得るために提唱された。(Tramontano et al., J. Mol. Recognit. 7:9, 1994;McConnell and Hoess, J. Mol. Biol. 250:460, 1995)。他のタンパク質もフレームワークとして試験されており、αヘリックス表面上の無作為化された残基(Nord et al., Nat. Biotechnol. 15:772, 1997;Nord et al., Protein Eng. 8:601, 1995)、αヘリックス束中のαヘリックス間のループ(Ku and Schultz, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6552, 1995)、および小さいプロテアーゼインヒビターのループのようなジスルフィド架橋により拘束されたループ(Markland et al., Biochemistry 35:8045, 1996;Markland et al., Biochemistry 35:8058, 1996;Rottgen and Collins, Gene 164:243, 1995;Wang et al., J. Biol. Chem. 270:12250, 1995)を提示するために用いられている。抗体模倣物に足場を用いる方法は、米国特許第5,770,380号、ならびに米国特許出願公開第2004/0171116号、第2004/0266993号、および第2005/0038229号に開示されている。] [0141] 本発明に従って使用するための好ましいIL-1β抗体または抗体断片は、一般的に、例えば約10 nMもしくはそれ未満、約5 nMもしくはそれ未満、約1 nMもしくはそれ未満、約500 pMもしくはそれ未満、またはより好ましくは約250 pMもしくはそれ未満、約100 pMもしくはそれ未満、約50 pMもしくはそれ未満、約25 pMもしくはそれ未満、約10 pMもしくはそれ未満、約5 pMもしくはそれ未満、約3 pMもしくはそれ未満、約1 pMもしくはそれ未満、約0.75 pMもしくはそれ未満、約0.5 pMもしくはそれ未満、もしくは約0.3 pMもしくはそれ未満のIL-1βに対する平衡結合解離定数(KD)といった高親和性で(例えば、BIACOREで決定される)ヒトIL-1βに結合する。解離定数はBiacore(GE Healthcare)を用いて測定してもよく、解離定数が約10pMを上回る場合、Biacoreを用いた測定が好ましい。代替的にまたは追加的に、解離定数はKinExA(Sapidyne Instruments, Inc)を用いて測定してもよく、解離定数が約10pMを下回る場合、KinExAを用いた測定が好ましい。] [0142] 本発明の抗体または断片は、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により測定して、約10 nMもしくはそれ未満、約5 nMもしくはそれ未満、約2 nMもしくはそれ未満、約1 nMもしくはそれ未満、約0.75 nMもしくはそれ未満、約0.5 nMもしくはそれ未満、約0.4 nMもしくはそれ未満、約0.3 nMもしくはそれ未満、またはさらには約0.2 nMもしくはそれ未満のIC50でIL-1βに結合し得る。好ましくは、本発明の抗体または抗体断片は、IL-1以外のいかなる標的とも交差反応しない。例えば、本抗体および断片はIL-1βに結合し得るが、IL-1αには検出可能な程度に結合しないか、またはIL-1αのその結合に対してIL-1βのその結合において少なくとも約100倍(例えば、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、またはさらには少なくとも約250倍)高い選択性を有する。本発明に従って使用する抗体または断片は、特定の態様において、本発明の抗体または断片を投与していないIL-1β刺激動物における血清IL-6のレベルと比較して、動物における血清IL-6のIL-1β誘導性発現を少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、またはさらには少なくとも80%)阻害する。抗体はIL-1βと結合し得るが、結合したIL-1βリガンドのIL-1受容体I型(IL-1RI)への結合を許容し得るか、または実質的に許容し得る。IL-1βのIL-1RIへの結合を阻止するかまたは実質的に妨げる多くの公知のIL-1β結合抗体とは対照的に、AB5およびAB7と命名された抗体(米国特許出願第11/472813号、WO 2007/002261)はIL-1βリガンドに選択的に結合するが、結合したIL-1βリガンドのIL-1RIへの結合を許容する。例えば、AB7と命名された抗体はIL-1βエピトープに結合するが、結合したIL-1βのIL-1RIに対する結合をなお許容する。特定の態様において、抗体は、結合したIL-1βのIL-1RIに結合する相互作用の親和性を減少させ得る。したがって、本発明は関連局面において、上記の特徴の少なくとも1つを有するIL-1β結合抗体またはIL-1β結合抗体断片の使用を提供する。本発明の前述の抗体、抗体断片、またはポリペプチドはいずれも、本明細書に記載するようにヒト化またはヒト型に設計できる。] [0143] 例えば以下の特許および特許出願に記載されるか、または記載される方法を用いて導出された抗体を含む、当技術分野で公知の様々なIL-1(例えば、IL-1β)抗体および断片を、本明細書に提供する方法に従って使用することができる:US 4,935,343;US 2003/0026806;US 2003/0124617(例えば、抗体AAL160);WO 2006/081139(例えば、抗体9.5.2);WO 03/034984;WO 95/01997(例えば、抗体SK48-E26VTKY);WO 02/16436(例えば、抗体ACZ 885);WO 03/010282(例えば、抗体Hu007);WO 03/073982(例えば、抗体N55S)、WO 2004/072116、WO 2004/067568、EP 0 267 611 Bl、EP 0 364 778 Bl、および米国特許出願第11/472813号。非限定的な例として、抗体AB5およびAB7(米国特許出願第11/472813号、WO2007/002261)を本発明に従って使用することができる。AB5およびAB7(XOMA 052とも呼ばれる)の可変領域配列は以下の通りである: AB5 軽鎖 下線の配列は、(左側から右側に向かって)CDR1、2、および3を示す。 重鎖 下線の配列は、(左側から右側に向かって)CDR 1、2、および3を示す。 AB7 軽鎖 下線の配列は、(左側から右側に向かって)CDR 1、2、および3を示す。 重鎖 下線の配列は、(左側から右側に向かって)CDR 1、2、および3を示す。] [0144] 本明細書に記載する抗体および抗体断片は、任意の適切な方法により調製することができる。そのような抗体および抗体断片を調製する適切な方法は、当技術分野において公知である。抗体および抗体断片を調製する他の方法は、本明細書の一部として本明細書に記載されている。本明細書に記載する本発明の抗体、抗体断片、またはポリペプチドは、任意の程度まで単離または精製することができる。本明細書で使用する単離された化合物とは、その天然環境から取り出された化合物である。精製された化合物とは、その化合物が(i) その天然環境において、または(ii)実験室条件下で最初に合成および/もしくは増幅された際に存在するよりも純粋な形態で存在するように、純度が増加した化合物であり、「純度」とは相対語であって、必ずしも「絶対純度」を意味する必要はない。] [0145] 薬学的組成物 本発明に従って使用するためのIL-1(例えば、IL-1β)結合抗体および抗体断片は、本明細書の方法において使用するための組成物、特に薬学的組成物に製剤化することができる。そのような組成物は、適切な担体、例えば薬学的に許容される薬剤との混合物中に、本発明のIL-1β結合抗体若しくは抗体断片の治療的または予防的有効量を含む。典型的に、本発明のIL-1β結合抗体および抗体断片は、動物への投与のために十分に精製してから薬学的組成物中に製剤化する。] [0146] 薬学的に許容される薬剤には、担体、賦形剤、希釈剤(diluent)、抗酸化剤、保存剤、着色剤、香味剤、および希釈剤(diluting agent)、乳化剤、懸濁剤、溶媒、増量剤、膨張剤、緩衝液、送達媒体、等張化剤、共溶媒、湿潤剤、錯化剤、緩衝剤、抗菌剤、および界面活性剤が含まれる。] [0147] 中性緩衝生理食塩水またはアルブミンと混合した生理食塩水は、例示的な適切な担体である。薬学的組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤;低分子量ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む単糖類、二糖類、およびその他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールもしくはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成対イオン;ならびに/またはTween、プルロニック、もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含み得る。同様に一例として、適切な等張化増進剤には、ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)、マンニトール、ソルビトールなどが含まれる。適切な保存剤には、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸などが含まれる。過酸化水素もまた、保存剤として用いることができる。適切な共溶媒には、グリセリン、プロピレングリコール、およびPEGが含まれる。適切な錯化剤には、カフェイン、ポリビニルピロリドン、β-シクロデキストリン、またはヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリンが含まれる。適切な界面活性剤または湿潤剤には、ソルビタンエステル、ポリソルベート80などのポリソルベート、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポールなどが含まれる。緩衝液は、酢酸、ホウ酸、クエン酸、リン酸、炭酸水素、またはTris-HClなどの従来の緩衝液であってよい。酢酸緩衝液はpH 約4〜5.5であってよく、Tris緩衝液はpH 約7〜8.5であってよい。さらなる薬学的薬剤が、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, ed., Mack Publishing Company, 1990に記載されている。] [0148] 組成物は、液体形態であっても、または凍結乾燥もしくはフリーズドライ形態であってもよく、1つまたは複数の凍結乾燥保護剤、賦形剤、界面活性剤、高分子量構造添加物、および/または膨張剤を含み得る(例えば、米国特許第6,685,940号、第6,566,329号、および第6,372,716号を参照されたい)。1つの態様においては、スクロース、ラクトース、またはトレハロースなどの非還元糖である凍結保護剤を含める。一般的に含める凍結保護剤の量は、再構成した際に生じる製剤が等張になるようなものであるが、高張なまたはわずかに低張な製剤もまた適している場合がある。さらに、凍結保護剤の量は、凍結乾燥時のタンパク質の許容できない量の分解および/または凝集を防ぐのに十分であるべきである。凍結乾燥前の製剤中の糖類(例えば、スクロース、ラクトース、トレハロース)の例示的な凍結保護剤濃度は、約10 mM〜約400 mMである。別の態様においては、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80);ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188);ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(例えば、Triton);ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、またはステアリル-スルホベタイン;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、またはステアリル-サルコシン;リノレイル-、ミリスチル-、またはセチル-ベタイン;ラウロアミドプロピル-、コカミドプロピル-、リノールアミドプロピル-、ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、またはイソステアラミドプロピル-ベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、またはイソステアラミドプロピル-ジメチルアミン;ナトリウムメチルココイル-、または二ナトリウムメチルオフェイル-タウレート;ならびにMONAQUAT(商標)系(Mona Industries, Inc.、ニュージャージー州、パターソン)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、およびエチレンとプロピレングリコールの共重合体(例えば、Pluronic、PF68など)などの非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤といった界面活性剤を含める。凍結乾燥前の製剤中に存在し得る界面活性剤の例示的な量は、約0.001〜0.5%である。高分子量構造添加物(例えば、増量剤、結合剤)には、例えば、アカシア、アルブミン、アルギン酸、リン酸カルシウム(二塩基性)、セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストレート、スクロース、チロース、アルファ化デンプン、硫酸カルシウム、アミロース、グリシン、ベントナイト、マルトース、ソルビトール、エチルセルロース、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二ナトリウム、ピロ硫酸二ナトリウム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、グルコース、グアーガム、液体グルコース、圧縮糖、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、ポリエチレンオキシド、ポリメタクリル酸、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、トラガカント結晶セルロース、デンプン、およびゼインが含まれ得る。高分子量構造添加物の例示的な濃度は、0.1重量%〜10重量%である。他の態様においては、膨張剤(例えば、マンニトール、グリシン)を含めてもよい。] [0149] 組成物は、非経口投与に適切であってよい。例示的な組成物は、関節内、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、病巣内、直腸内、経皮的、経口、および吸入経路などの当業者に利用可能な任意の経路によって、動物に注射または注入するのに適している。非経口製剤は典型的に、薬学的に許容される保存剤を任意に含んで、無菌であり発熱物質を含まない等張水溶液である。]
权利要求:
請求項1 対象における痛風を治療する方法であって、抗IL-1β抗体またはその断片を対象に投与する段階を含む方法。 請求項2 痛風が慢性痛風である、請求項1記載の方法。 請求項3 痛風が急性痛風である、請求項1記載の方法。 請求項4 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約10nMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項1〜3記載の方法。 請求項5 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約1nMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項4記載の方法。 請求項6 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約500pMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項5記載の方法。 請求項7 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約250pMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項6記載の方法。 請求項8 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約10pMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項7記載の方法。 請求項9 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約1pMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項8記載の方法。 請求項10 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約0.5pMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項9記載の方法。 請求項11 抗体または抗体断片がヒトIL-1βと約0.3pMまたはそれ未満の解離定数で結合する、請求項10記載の方法。 請求項12 抗IL-1β抗体または抗体断片が中和抗体である、請求項1〜11記載の方法。 請求項13 抗IL-1β抗体または抗体断片が、結合した抗体または断片がIL-1βのIL-1受容体I(IL-1RI)との結合を実質的に許容するように、IL-1βエピトープと結合する、請求項1〜11記載の方法。 請求項14 抗体または抗体断片がIL-1α、IL-1RまたはIL-1Raのいずれとも検出可能には結合しない、請求項1〜11記載の方法。 請求項15 抗体または抗体断片が、配列中に含まれるエピトープと結合する、請求項1〜11記載の方法。 請求項16 抗体またはその断片が、SEQID NO:5の軽鎖可変領域およびSEQ ID NO:6の重鎖可変領域を有する抗体の結合と競合する、請求項1〜11記載の方法。 請求項17 抗体または抗体断片が、IL-1βのGlu64を包含するエピトープと結合する、請求項1〜11記載の方法。 請求項18 抗体または抗体断片がIL-1βのN末端のアミノ酸1〜34と結合する、請求項1〜11記載の方法。 請求項19 抗体または抗体断片が、ヒト型に設計されている(human engineered)、またはヒト化されている、請求項1〜11記載の方法。 請求項20 抗体または抗体断片がヒトのものである、請求項1〜11記載の方法。 請求項21 抗体または抗体断片を、3mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項1〜20記載の方法。 請求項22 抗体または抗体断片を、1mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項21記載の方法。 請求項23 抗体または抗体断片を、0.3mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項22記載の方法。 請求項24 抗体または抗体断片を、0.1mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項23記載の方法。 請求項25 抗体または抗体断片を、0.03mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項24記載の方法。 請求項26 抗体または抗体断片を、0.01mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項25記載の方法。 請求項27 抗体または抗体断片を、0.003mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項26記載の方法。 請求項28 抗体または抗体断片を、0.001mg/kgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項27記載の方法。 請求項29 1回または複数回の用量が、少なくとも0.001mg/kgの抗体または断片である、請求項21〜28記載の方法。 請求項30 1回または複数回の用量が、少なくとも0.01mg/kgの抗体または断片である、請求項21〜26記載の方法。 請求項31 抗体または抗体断片を、0.001mg/kg〜1mg/kgの用量で1回または複数回投与する、請求項1〜20記載の方法。 請求項32 抗体または抗体断片を、0.001mg/kg〜0.3mg/kgの用量で1回または複数回投与する、請求項31記載の方法。 請求項33 抗体または抗体断片を、0.003mg/kg〜1mg/kgの用量で1回または複数回投与する、請求項31記載の方法。 請求項34 抗体または抗体断片を、0.003mg/kg〜0.3mg/kgの用量で1回または複数回投与する、請求項33記載の方法。 請求項35 抗体または断片を、用量/対象重量比(a dose per subject weight ratio)とは関係なく、固定用量として投与する、請求項1〜20記載の方法。 請求項36 抗体または断片を、500mgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項35記載の方法。 請求項37 抗体または断片を、250mgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項36記載の方法。 請求項38 抗体または断片を、100mgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項37記載の方法。 請求項39 抗体または断片を、25mgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項38記載の方法。 請求項40 抗体または断片を、10mgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項39記載の方法。 請求項41 抗体または断片を、1.0mgまたはそれ未満の抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項40記載の方法。 請求項42 抗体または断片を、少なくとも0.1mgの抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項35〜41記載の方法。 請求項43 抗体または断片を、少なくとも1.0mgの抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項42記載の方法。 請求項44 抗体または断片を、少なくとも10mgの抗体または断片の用量で1回または複数回投与する、請求項35〜40記載の方法。 請求項45 抗IL-1β抗体または断片を、皮下、静脈内または筋肉内注射によって投与する、請求項1〜44記載の方法。 請求項46 抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に1回または複数回の後続用量(subsequent dose)の投与を行う、請求項1〜45記載の方法。 請求項47 抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に1回または複数回の後続用量の投与を行い、該1回または複数回の後続用量が初回用量とほぼ同じであるかまたはそれよりも少ない量である、請求項1〜45記載の方法。 請求項48 抗体または抗体断片の初回用量の投与の後に1回または複数回の後続用量の投与を行い、後続用量の少なくとも1つが初回用量よりも多い量である、請求項1〜45記載の方法。 請求項49 抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも50%の軽減を達成するのに十分である、請求項1〜48記載の方法。 請求項50 抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも60%の軽減を達成するのに十分である、請求項49記載の方法。 請求項51 抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも70%の軽減を達成するのに十分である、請求項50記載の方法。 請求項52 抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも80%の軽減を達成するのに十分である、請求項51記載の方法。 請求項53 抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも90%の軽減を達成するのに十分である、請求項52記載の方法。 請求項54 抗体または断片の用量が、関節疼痛の95%の軽減を達成するのに十分である、請求項52記載の方法。 請求項55 抗体または断片の用量が、CRPレベルの少なくとも20%の低下を達成するのに十分である、請求項1〜54記載の方法。 請求項56 抗体または断片の用量が、CRPレベルの少なくとも30%の低下を達成するのに十分である、請求項55記載の方法。 請求項57 抗体または断片の用量が、CRPレベルの少なくとも40%の低下を達成するのに十分である、請求項56記載の方法。 請求項58 抗体または断片の用量が、CRPレベルの少なくとも50%の低下を達成するのに十分である、請求項57記載の方法。 請求項59 抗体または断片の用量が、CRPレベルの少なくとも70%の低下を達成するのに十分である、請求項58記載の方法。 請求項60 抗体または断片の用量が、CRPレベルの少なくとも90%の低下を達成するのに十分である、請求項59記載の方法。 請求項61 抗体または断片の用量が、ESRの少なくとも20%の低下を達成するのに十分である、請求項1〜54記載の方法。 請求項62 抗体または断片の用量が、ESRの少なくとも40%の低下を達成するのに十分である、請求項61記載の方法。 請求項63 抗体または断片の用量が、ESRの少なくとも60%の低下を達成するのに十分である、請求項62記載の方法。 請求項64 抗体または断片の用量が、ESRの少なくとも70%の低下を達成するのに十分である、請求項63記載の方法。 請求項65 抗体または断片の用量が、ESRの少なくとも80%の低下を達成するのに十分である、請求項64記載の方法。 請求項66 抗体または断片の用量が、ESRの少なくとも90%の低下を達成するのに十分である、請求項65記載の方法。 請求項67 抗体または断片の用量が、関節疼痛の少なくとも50%の軽減、CRPの少なくとも20%の低下およびESRの少なくとも20%の低下を達成するのに十分である、請求項1〜54記載の方法。 請求項68 抗体または断片の用量が、CRPの少なくとも30%の低下およびESRの少なくとも30%の低下を達成するのに十分である、請求項67記載の方法。 請求項69 抗体または断片の用量が、CRPの少なくとも40%の低下およびESRの少なくとも40%の低下を達成するのに十分である、請求項68記載の方法。 請求項70 少なくとも1つの追加の治療方法と併用され、該追加の治療方法がIL-1β抗体または断片以外の活性作用物質を含む少なくとも1つの薬学的組成物を投与する段階を含む、請求項1〜69記載の方法。 請求項71 少なくとも1つの薬学的組成物が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、副腎皮質ステロイド、副腎皮質刺激ホルモンおよびコルヒチンからなる群より選択される、IL-1β抗体または断片以外の活性作用物質を含む、請求項70記載の方法。 請求項72 抗体またはその断片が、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストよりも低いIC50を有する、請求項1〜71記載の方法。 請求項73 痛風の治療に用いるための組成物の製造における、IL-1βにより誘導されるIL-8産生を測定するヒト全血IL-1β阻害アッセイにおいてIL-1β受容体アンタゴニストよりも低いIC50を有する、抗IL-1β抗体またはその断片の使用。 請求項74 IL-1β受容体アンタゴニストがアナキンラである、請求項72記載の方法または請求項73記載の使用。
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